●先日拙宅より、菅孝行の本が発掘された。菅氏とホンカツは、往時小拙のカリスマ著者であったかも知れない。菅本(官本じゃないよ)は発掘されるまで埋没していたが、ホンカツ本は(トンカツ丼じゃないよ)は今でもかなりのノサバリ具合を見せている。
●もともと著書の多い記者ではあったが、単行本に文庫本がうじゃうじゃと。極めつけは、『本多勝一著作集』(朝日新聞社)全30巻ではなかろうか。99年3月に完結し、全巻購読者特典としてCDを貰ったが、聞いていない。この本が箱入り息子で、幅が平均3.2cm。30冊で堂々の約1mものノサバリ具合である。
●で、そういうアレコレ(どういうアレコレ?)を随筆化しようと帰宅したら、『アメリカは変わったか』という週刊金曜日から出たブックレット(1000円)が送られてきていた。こんな偶然もあるもんだ。表紙が黒人青年顔をしたモナリザ。かなりなインパクト。
●その中で、『アメリカよ、驕るなかれ』、『「テロリスト」がアメリカを憎む理由』(共に毎日新聞社刊)の著者、芝生瑞和氏との対談があって、無性に芝生氏のものを読みたくなった。これは収穫。
●で、「まだいまだ様 本多勝一恵存」とマジックで汚くサインされてあって、本多勝一名の四角いハンコが押してあった。本多氏からは昭和64年の年賀状を貰ったことがある。確か下血騒ぎの自粛時だからこそ普段出さない年賀状を無理して出した、ということが書かれてあった。
●99年当時、著作集全巻購読者へのCDプレゼントは、版元からのものであった。又、著者からのプレゼントとして、近日発刊予定の『本多勝一の探検と冒険』(岡崎洋三・山と渓谷社)か自著の『加害報道』(多分金曜日刊)のどちらかを上梓次第贈りたいので選べ、というやりとりがあった。どうやら小拙は後者を選んだ様だ。
●で、約3年経って、件の『アメリカは変わったか』が届いた訳だ。経費節減かB4コピーを半分にカットしたB5判のワープロ手紙が同封されている。曰く(以下カギカッコ内引用)「(前略)全巻をお求めくださった方々に、記念として私に関連する本をお贈りすることにし、『本多勝一の探検と冒険』をそれに当てました。」
●「そのさい、この本のかわりに近刊予定の拙著『加害報道』を希望された方がおられました。」なんだかこっちは少数派のイメージ。その本がまだ刊行されていないこと、とその理由と刊行予定も未定であるということがあって、「申し訳ないのですが、ここに別の本をお贈り申し上げます。」である、と。
●それから「贈呈本の件をあまりにも放置しておいても失礼ですので、この本をもって代わりとさせていただきたく、何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。」それならば岡崎氏の本でいいのに。だって、こっちは1000円であっちは1600円だで。そういう問題てか。
●で、もし『アメリカは変わったか』を既に購読した人は葉書で知らせて欲しい、ということがあって「とりいそぎ一筆、お詫びとお知らせまでに。本多勝一」となっている。
●本多氏の好意で戴くものであるから、大きなことは言えないが、やはりそうなると俄然岡崎氏の本が見たい。「まだいまだ様」と油性マジックで書かれ、「恵存」とまで頼まれているのではあるが。
●3年後に何か贈って呉れるのを期待して 「 やっぱ元ホンカツ信者としては『ホンカツの探検と冒険』を読みたいのでおくれヤス」という葉書を送ってみよう。わしゃヒマ人か。