●流石に最近はあまり云われなくなったが、ゴルフを誘われる機会が結構あった。アブク経済が溶解し出してからはあまり誘われることはなくなったが、やっている人が止めた訳ではないだろう。
●自慢じゃないが、打ちっ放しにも一度も行ったことがない。亡父が付き合いで少しやっていた様で、子供時分に道具類には触ったことはあるが。充分自慢か。
●やってみると意外に奥が深い様で、駅で雨傘などを振り回しているおとっつあんを見ると、面白哀しい。女性でゴルフをやっている人も居ると思うが、何故かあれはやらない。駅前でティッシュの代わりにゴルフの球を置く短い棒を無理矢理渡そうとする妙齢の婦人が居た。何が目的なのか。
●しかし、奥が深いのは、ゴルフだけではなく、何でもやってみれば奥はあるのである。ゴルフの最深部では、賭けの対象でもある、という辺りか。しかしそれもゴルフだけの話ではなくて、高校野球でもオリンピックでも賭けの対象となっている。小拙が虜になっているバスケットピンポンにも奥義はある。
●ゴルフが哀しいのは、接待に使用される、という奈辺か。時代が許せばゴルフ場の領収書は通過する様な気がするが、パチンコ屋の玉替領収書は通らない。当たり前か。同じ球技なのに。
●小拙の玄関口には、 盗賊を殴る用に木製バットが置いてあったが、 今は「マサイの棍棒」を置いている。昨年『ソトコト』誌のY氏に戴いたものだ。本来は獣を仕留める道具なので、丁度良い。玄関口に置くには木製バットまでだろう。ゴルフの棒や金属バットは似合わない。
●であるから、小拙の運動分野はバッティングセンター通いとバスケットピンポンに止めを刺す訳だ。ゴルフは老後の後にでも出来る。
●少し寒くなると突然蟹が出てくる。越前やズワイ、タラバや花咲、松葉にケガニ、と喧しい。冬はその辺の料理屋やファミレスでも蟹メニューが出る。旅行代理店も日本海などへの蟹ツアーを山盛り出す。
●シテイホテルなんぞも「蟹食べ放題」を謳い、大勢が一斉に黒山になって制限時間一杯蟹を食う。そんなに蟹ばかり追い求める理由が分からない。季節限定だからか、高額だからか、食い難さが逆に良いのか。
●冬場には、何か他にも旬のものはあるだろうが、何故人は蟹に群がるのか。小拙には蟹を崇拝する信仰か、業界の仕業にまんまと我々衆愚が乗せられている様な気がする。
●小拙自身は蟹は老後の後で良い、と思っている。その時は北陸か山陰の鄙びた温泉宿で、ゆっくりと蟹を喰う。刺し身も湯豆腐も一人鍋も要らない。酒と蟹だけを喰う。蟹は焦って食べるものでは無い様な気がする。冬にはもっと旨い魚がたくさん喰える。体力のある内にもっと違うものを喰っておいた方が良い。
●先日、打合せのために人と会うこととなり、事前に電子メールで待ち合わせの確認をした。その方とはまだお会いしたことがなく、先方は自分の携帯電話番号を示し、待ち合わせがうまくゆかなかった際等に掛け合おう、ということになった。
●で、小拙が携帯電話を持っていないので、到着したらこちらから掛ける、と返信し当日を迎えた。打ち合わせの中盤に、「どんな高年の老人が来るのかと思った」と云われ、笑った。
●で、小拙が携帯電話の代わりの携帯ワープロ「オアシスポケット3」を披露すると、又笑われた。ま、普通笑うだろう。小拙も今時他人がそんなもの使っていたら、笑う。
●携帯電話は便利だ。便利であるかも知れないが、今の小拙には必要無い。大体、電話というものが苦手である。電話でかなり失敗もした。
●車内での携帯電話を単なるエクスキューズにせよ禁止されている中で、誰彼となく使用している。本当にいけないのでなければ、解禁にしてもらわないと精神衛生上良くない。
●本当は逃れ様のない場で片側の通話を聞かされることから、不満が充満しトラブルが発生した時の言い逃れで禁止しているだけだ。韓国に行くともっと大声で車内通話しているらしいが、言葉が分からないから気にならないという。
●小拙が老後の後に携帯電話を持てば、様々な悪戯をするであろう。援助交際は迫るわ、公序良俗には反するわ、未成年の振りはするわ、でもう大騒ぎである。援助交際を迫った相手に顔を送信しろ、と云われた時にどういう対応をするかということを考えただけでわくわくする。趣味悪〜い。
●老後の後とかそんなことを云っている奴に限って、老後になる前にこの世から消え去っているのである。ゴルフもカニもケータイも知らずに去る事に関しては何の後悔もない。