●梅雨時期に腰を痛めた。土曜日に痛いな、と思ったのだが何とか歩けるし我慢をしていた。日曜日に大阪ドームへ野球観戦に行ったが、かなり痛く、座るのも歩くのも辛かった。負け試合では余計に響く。
●よせばいいのに、帰宅してからキャッチボールを1時間程やった時にはもう屈むことはできなかった。それでもまだ楽観視していたが、風呂屋では脂汗をかき、朝起きたら歩けなくなっていた。
●左側の腰が痛いのであるが、少しでも首を下に向けると激痛が走る。寝ていても座っていても痛いので、何かに掴まりながらじっと立って階下の整形外科が開くのを待った。拙宅の下はたまたま整形外科のクリニックなのだ。
●そこでレントゲン写真を撮ってみたら、背骨がバナナ状に大きく左に湾曲していた。あまりのカーブ具合に大声で笑ってしまったら、足に電気をあてている人や首吊り状態で身体を伸ばしている人に睨まれた。自分の写真やねんから別にええやんかいさ。
●結局そこでは痛み止めの注射をうって、ハイ終わりだったので、その写真を借りて近所の整骨院へ行った。物理的に曲がっている箇所を押しながらの治療なので、単純で莫迦な小拙に合った。
●その後は、普通に戻ったが、通販で買ったモバイルピローという携帯用枕を持ち歩くようになった。椅子に座る時、電車や車に乗る時はこれを腰に挟む。
●よく考えれば、小拙のような内勤選手は基本的に椅子に座って一日中ごそごそと何かをやっている。阪神電車の中でも座っている。家の中でも椅子に座ることが多い。なんやかんやで一日14時間は椅子に座っている。寝ている時間は6時間だとすれば立っている時間は4時間か。
●猿がチンパンジーの先祖とヒトの先祖に分化したのはわずか 500万年前なのだそうだ。昨日の昼メシも覚えていないのに 500万年前が「わずか」とは摩訶不思議。ヒトは二足歩行するようになったので、詳しい仕組みはわからないが、脳の発達を促したという。それが手の動きを司り、様々な人間文明を生み出してきたといえる。
●二足歩行の結果、四肢の前側が「手」となった。ヒトやサル類には「手」がある。犬猫獣ボブサップは「前足」となる。不思議なのは熊で、「熊の手料理」や「熊手」というものがある。小拙は熊の前肢も「前足」と思うのだが。その他「手」を持つ動物はあるのだろうか。ラッコは手と呼んでも良い位の器用さがあるのではないか。スーパーのチラシに「豚肉・ウデ」とあったが、あれは如何なものか。
●二足歩行の弊害は、身体全体を支える、足や腰への負担が大きくなることである。荻田幸雄博士によると、妊婦などは大きい穴の開いた「ダイアナベッド」でうつ伏せになって寝ているのが負担が少ない、としている。ひょっとしたら靴をはいている時間の方が素足より長いのかも知れないし。身長というものは靴をはいた状態のものが社会的身長と云うことができないか。もう少し考えないといけない。
●ベッドも固い方が良いとするものや水寝台が最高、とする説もある。小拙は畳の上に座布団を二つ折りにした枕で寝るのが至上の楽しみである。テレビが付いていても良く眠れる。不思議なことに、テレビを見ずに寝ているだけなのに、テレビを消すと眠気が失せる。テレビの音声は必要雑音的な効果はあるのかも知れない。
●そういう眠りの体制に入る前に横になる場合、「消化に良い」という迷信か何かの情報を基に、右側面を下にして、寝ていた。数十年そういうことをした結果、枕の高さもあってか、背骨が大きく左に湾曲したものと思う。
●ただ、人は寝具ほど椅子には気をつかわないのではないか。本来は椅子こそをオーダーメイドしなければいけないのではないか。服も靴も一見身体に合わせて選んでいる様であるが、逆の場合が多い。
●椅子の設計は意外と難しいもののようである。人間工学や力学的に考えた意匠が要求される。小拙の身長は自称 176cmであるが、短足のせいか足のつっかえが足りない様な気がする。少し上げると落ちつく。
●食事は座ってするものであろうか。正座したり椅子に座ったりするとどうしても重みで背中が曲がる。食堂や腸に微妙な歪みやねじれが生じているのではないか。
●中国人は流石に本質をついていて、本気の中国人は立って食べている人が多いように思う。北京・上海・広州・香港は例外少数派中国なので座り食べをしている。たまに、立ち食いや立ち飲みの店に行くと、気持ちがいい。食べたもの飲んだものがすうと通りが良い。立食文化は大変理に適ったものだと思う。
●大阪・北区の立ち呑み屋「大安」は、ホスピタリティの精神溢れる大阪を代表する良店であると思う。肴(魚)は常に新鮮で安くて旨い。価格的にも大変良心的な店にもかかわらず客層が良い。立っているので、煙草の煙が近づいてきてもすぐに避難ができる。立っている方が気分良く飲めるのは、やはり人間の本質に合っているからだと思う。