○小拙は至って気弱の怖がりのイラチマンである。かてて加えて助平でケチで小心者である訳である。故にそれを補うことを行わなければ社会で普通に生活できない。
○携帯電話を持っていない。小拙が持つと逼迫した家計は更に窮を要すであろう。又、携帯電話を使用した無駄な時間も多く使う自信がある。それ以前に「電話」そのものの使い方があまりうまくないので、少しく電話が嫌いでもある。誰もが持っているのでイザとなれば借りることもできる。小拙がそれを誰かに借りなきゃいけない状況になれば世も末だ。
○携帯電話を持っていないデメリットと携帯電話を持っていることによるメリットを比較しても、小拙にとっては持たない理由がある。少なくとも携帯電話を持っていることによるデメリットからはリリースされている。メールと備忘録機能のあるPDAがあれば欲しいと思うが、通信するために電話が要るならば諦めがつく。
○深呼吸をする。深呼吸しなければ多汗症と不安神経症が治まらない。深呼吸すればある程度治まる。しかし深呼吸をすることを癖にしなければすぐに忘れてしまう。そう、健忘症も併発している。
○記憶が絵で入っておらず、言葉で入っている。主に女性は記憶を絵というか画像的に捉えることに長けているように思う。そういう観点からは記憶力の良い男性は畢竟女性的であるといえる。
○セダン型自動車のトランクに押し込まれない。遊びで入れられるのも死んでも嫌だ。絶対に開けて呉れると保証されていても入らない。小拙は小学生の時分に比較的広い掃除用具入れに押し込められ、発狂をしかけた。ソ連の宇宙船も最初はオス犬で失敗し、メス犬で成功した。失敗のオス犬に同情ができる。ソ連のオス犬は毒殺されたか。
○本当の助平は痴漢をしない。中途半端な助平が痴漢をしてしまう。イラチでも我慢はある。もちろん痴漢をしてしまいたい衝動的な気分というのは分かるのであるが、行為してしまうと助平としての自分がそれで終わってしまうのも分かる。本当の悪人は誰にも迷惑をかけない。
○本当の助平はもっと想像力に懸ける。行為してしまうのは簡単ではあるのであるが、それは本当の助平道を歩む者にとって迷惑である。渡辺淳一を読んでもトレンディドラマを見ても道は極められない。己の想像力を鍛えるのみである。
○小六の女児が同級生を学内で刺殺した。間接的には小学生にコンピュータなんか使わすからそういう具合になったようにも思うが、加害女児は自分を非難する友人を消した。
○加害女児にもう少し想像力があれば、そんなことをしても自分は本当には救われないことが分かる。アメリカやグリンピースが今行っている蛮行も同じか。本当に自分が現在の地位を守られて、友達を苦しめることが必要であれば、それは殺す以外の方策になるのではないか。
○死刑囚が穏やかで終身囚に救いがないのであれば、終身刑の方が重刑とすべきではないか。現行の制度は、罰や償い、或いは取りかえしということに真剣に向き合っていない制度のような気がする。
○893の世界でも堅気の人間には手を出さないという掟があるのではないか。絶対に喧嘩の相手を間違えてはいけない。
○三年前には大阪の教育大付属池田小学校に凶暴で粗悪な精神障害者が乱入して、8人もの子供の命を奪った。こんな犯人には想像力も糞もない。小拙はそれまで小学校の「校庭開放委員」であったが、極めて例外的なこの事件後開放制度は廃止された。
○実情は開放委員の居ない校庭で遊んでいるのであるが、それでは事件前の状況の方がマシであったのではないか。単なる責任放棄なのではないか。その他監視カメラがどうしたこうした、などと全国の小学校をはじめ各種施設がどれだけの被害を被ったか。
○桂枝雀が創作した落語「戻り井戸」では、野井戸に落ちていた男が呟く。『この頃の都会は人間の住む所やございません。他人は皆他人でございます。(中略)己の領地だけ守るという様な、まず家に鍵かけて寝る様になりましてから人間駄目になりましたです』と。
○一番むかつくことに『ちっちゃい子に「こんにちは」て声かけますやろ。「こんにちは」の挨拶ひとつしよりませんねやで。母親が「見知らんおっちゃんに声かけられたら返事したらあかんで」と云うてんねんやろ。あんな情けないことございませんで』
○へてから『おっさんは皆これ変態性ばっかりかいな。人さらいばっかりかいな。莫迦な。おじさんが来て「こんにちは」云うて何がいかんねん』とある。
○小拙は『バトルロワイヤル』の原作も映画も見てないが、映画は15禁であったという。映画は駄目でビデオやDVDはOKなのか。こういうことが起こってはいけないので15禁にしてあるのではないか。この事件は小六加害女児の保護者が、自分の子供に愛情を注げなかった結果なのではないか。自分の子供に愛情を注げなかった親の責任は大変に重大であると思う、と同時にもう取りかえすことができないことを犯した罪は重い。
2004年6月17日号掲載