2006年10月×日
出発の日。霧雨。13年位住んだミラノを発つ。
アムス経由で関空まで。そしてダンナさんの実家のある高松へ。
なんとなく、現実感は薄い。
シートに身をすくめて水滴の付いた小さな窓越しに灰色の景色を眺めながら好きなあのヒトやこのヒトに心の中でお別れを言った。
また会える事があるかしら…。
大概はいつも一人で往復していた空の旅。
慣れた空路も今度はダンナさんと一緒の片道切符。
東京へは帰らない。帰れない。帰りたくない。帰りたい。帰れるさ。カエルの合唱。
年内中には大阪に移住する。
東京→ミラノと来たら次はやっぱり大阪やろ。
すんなりアパートメントがみつかるといーけど。
ダンナさんもアタシも大阪は初めて。帰国と言うよりは、浪花サバイバル暮らしの始まりなのだ。
いよいよ飛行機が動き出す。離陸。
眼下にミラノの街が小さくなって、雲の上の青空へ抜け出た…。
2007年8月27日号掲載
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