ゼミやサークルの先輩たちは就職してからどう過ごしているだろうか――。
銀行総合職、女性。朝5時半起床、8時前出社。残業は今のところあまりない。休みもとれ、新築の借り上げマンションに一人暮らし。法人営業といわれたのに、これまでの仕事は雑用ばかり。預金などの身分証明書のコピーを頼まれる(プライヴァシーを覗き見るのが日々の楽しみだという)。宝くじ売場での売り子、自転車磨きなど、まだ本当の仕事はさせてもらえないとぼやいているそう。翌年3月までは月1回の宿泊研修がありそうだという。現実は話と違っていたが、夏休みは1週間とれたそうだ。
メディア系の先輩2人はアナウンサー。一人(女性)は昨年10月からテレビ東京、11時のWBSの木曜レギュラーとして登場しはじめた。他にも短い番組のアナとして顔を出している。テレ東は人数が少ないからどんどん若手を使っていくのだろう。娘と時々見ている。もう一人は男性。民放のすべての局アナに落ち、最後に受けたNHKに内定。勤務先は山陰。彼は2〜18歳までアメリカ育ちで、今も両親は向こうにいるという珍しい成育歴の持ち主だ。英語は当然ペラペラ、日本語もうまく綺麗。外見も素朴で海外暮らしが長いとは見えない。暗く寒い山陰では大変だと思う。暖かいかと思って関西方面の希望を出したら山陰になったらしい。確か9月頃に新人アナとして紹介され(英語で少し話した)、10月に入って島根県特集でアナとしてのデビュー放映を見た。得意の英語を活かしてがんばってほしい。
K大法学部女性の先輩は娘が気にいった大手H製作所の内定を蹴り、昨年の春、トップの成績で(入社式で代表挨拶をした)、あのM氏ひきいるR天へ入社。広報担当として現在バリバリ働いている。2社の内定は2社出ていて、とても迷ったようだが、家からも近く、今のところは正解だそうだ。
一方で、昨年の春、希望を胸に広告大手Hに入った先輩は、もうすでに辞めて外資の証券へ転職した。
どうしても出版へ行きたくて、かなり小さな出版社に入社し、頑張っていた2年先輩の女性先輩は結局1年半で辞め、現在は無職、失業保険をもらいながら、実家で今後を模索している。
K大経済学部、サークルの1年先輩女子はTOEIC 750、元気で明るいタイプ。業界も絞らなかったので内定がいくつもとれそうだと娘から聞いていたのに、募集が増えていた銀行系も2次面接までで全滅。結局、内定は、社長の元妻がCという女優のいるエージェントのひとつのみで「長く勤める会社じゃないよね〜」と卒業時に言っていたそうだ。久々のメールで、この春には辞め(1年で辞める)、学士か院でK大に戻るらしい。
やはり同じサークルの男子も、メーカー1年目だが、もう転職を考えて活動しているとのこと。
「アエラ」に載っていた生保入社29歳男子の言葉。「狭き門を突破したが雑用ばかり。5年我慢しても希望の部署に行けるとは限らない。2年で辞めて転職した」。さもありなん。男子でもこうなのだ。「2年で辞める」は、それほど多くもないだろうが、少なくもない実感を持った。
2007年1月22日号掲載
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