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大須賀護法童子

 

 
p r o f i l e
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まあ、ちゃんちゃんこを脱いでゆっくりしてくれたまえ。
 今夜、君に来てもらったのは他でもない、ゲ太郎くん」
「鬼太郎です」
「は?」
「僕の名前は鬼太郎です。ゲ太郎じゃありません」
「これは失敬。
 じゃあ苗字で呼ぶことにしよう。墓場野くん」
「“墓場の”は苗字じゃありません」
「違うのかね」
「妖怪に苗字はありませんから」
「では、“ゲゲゲの”というのは?」
「それも違います」
「鬼太郎! 気をつけろ。
 そいつは妖怪“呼びまちがえ”じゃ!」
「うわ、びっくりした。誰かね?」
「目玉の父さんです。父さん、大丈夫だから」
「それが君の父親かね。小さいね」
「お椀で行水するのが趣味です」
「いつも父を連れ歩いて、気ぶっせいなことだね」
「気ぐしねいです」
「ではさっそく本題に入ろう。目玉野くん」
「気をつけろ、鬼太郎!
 そいつの間違った呼びかけに返事すると魔界に吸いこまれて妖怪にされてしまうぞ!」
「まあまあ父さん、もともと妖怪ですから」