♪ 01
Sketch For Dawn
I / The Durutti Column
The Durutti Column は、Joy Division 以降の、マンチェスターの Factory Records
の一方の看板だった。次第にベルギーの Factory Benelux、のちの Les Disques de Crepuscule
にも活動を移していった。実際は Vini Reilly というギタリストのワンマンユニット。 初めて The
Durutti Column の音を聞いたのは、Factory Quartet というコンピレーションアルバムでだった。それはとても衝撃だった。この世のものとも思えないほど美しいギターの響き。彼は、すぐに
LC というアルバムを出した。佳品のつまった傑作アルバムだと思う。彼はその後も作品を発表しているが、当時の輝きを越えることはできなくなっている。
♪ 02
Last Tango In
Paris / Gotan Project
これはいまのバンド。バンド名から分かるように現代的なタンゴである。 いわゆるラウンジ系ということになる。場所がカフェなのでお客のウケが良いかなと思ってかけた。
♪ 03
GIVE THANKS (RADIO
EDIT) / Kodama Kazufumi
こだま和文はかつてミュートビートというバンドのリーダーだった。いまはソロで活動している。1980年頃、原宿のはずれにあったピテカントロプスというクラブに出ていた。その頃、TRAというカセットマガジンが出ていて、初めて聞いたのはTRAでだったと思う。当時からいまに至るまでぼくは彼のファンです。日本のミュージシャンでは彼が一番好き。
ところでTRAは当時もっとも先鋭的なマガジンだった。アーティストカタログと銘打っていた。ここのところの再発ブームで、どうにか再発、というかCD化してくれないかな。CD化されたら即全部買う。
♪ 04
Thieves Like
Us / New Order
Joy Division のヴォーカリストであった Ian Curtis が自殺した後で残ったメンバーは New Order
と名乗り活動を継続した。イアン・カーチスの自殺は突然だった。1979年に Unknown Pleasure というファーストアルバムを出し、Love
Will Tear Us Apart というシングルがヒットし、セカンドの Closer が完成し、さあいよいよアメリカツアーに出発という時に自殺した。残されたメンバーのショックは察するにあまりある。ぼくは当時
New Music Express という雑誌(だったと思う)でメンバーの英文のインタビュー記事を読んだ。
痛ましかった。 New Order の最初のシングル Ceremony のレコードのA面の内側には、WATCHING
LOVE GROW - FOREVER と、B面には HOW I WISH WE WERE HERE WITH YOUNOW
と密やかに刻まれてある。
今年のフジロックに New Orderが出演して、その映像をWOWOWで流したものを友人が貸してくれたので見たのだが、彼らは
Joy Division 時代の Transmission という曲を演奏していた。それを見ていてぼくは泣いた。アレンジが
Joy Divison 時代と全く同じだった。ボーカルがイアンではなく、バーナード・サムナーである点を除いては。Joy
Divison の Ian Curtis はいまだにぼくのアイドルだ。
♪ 05
Walking In The
Sunshine / Miss Kittin & The Hacker
Miss Kittin は現代の女性のミュージシャン。テクノである。音が80年代ぽっくってとても好き。
♪ 06
At Home / Wim
Mertens
Wim Mertens はベルギーのレーベル、Les Disques du Crepuscule の看板ミュージシャンだった。最初は、Soft
Verdict という名のユニットを組んでいたが現在はソロでやっている。現代音楽、中でもミニマルミュージックの音楽家。確かミニマルミュージックの著作もあって邦訳もあったはず。
この曲は、At Home というシングルからの傑作。CDも出ている。B面が Not At Homeという曲でこれも傑作。ニューヨークの
Love of Live Orchestra という現代音楽系のバンドの Peter Gordon という人がサックスを吹いている。カッコイイ。
♪ 07
Carolyn's Fingers
/ Cocteau Twins
4ADというレーベルの看板グループ。高音の女性ヴォーカルが特徴だが、彼女の歌は何語でもない。意味がない言葉なのである。Blue
Bell Knoll というアルバムは大傑作。 ぼくの友人のアメリカ人がこのDJを聞いていて、この曲が流れた瞬間に「懐かしい!」と叫んだ。
♪ 08
A Man of Tribe
/ Maximum Joy
The Pop Group は解散後、リーダー格の Mark Stewart がソロ活動を始め、残りの連中は Rip Rig
& Panic、Pigbag、Maximum Joy という3つのグループに分かれていった。Maximum Joy
はつい最近まで全くCD化されていなかったが、現在は矢継ぎ早にCD化作業が行われている。この曲は、Why Can't We
Live Together というシングルのB面で、つい最近出た Unlimited というCDにも収録されている。が、Why
Can't We Live Together はカヴァー曲であるせいか、CDに入っていない。
ところでぼくは1985年頃にロンドンに行ったとき、Maximum Joy の Why Can't We Live
Together がデパートで流れているのを聞いた記憶があるのだが、あれはぼくの勘違いだったんだろうか。いまだにぼくの中では謎である。
♪ 09
Shame Of The
Nation / New Order
この曲は、1986年の Brotherhood に収録されている State of the Nationの別バージョン。Substance
という2枚組のベスト盤に入っている。
#
10
The Floor Above
Me / Double Muffled Doplhin
デンマークのテクノミュージシャンらしい。彼のサイトを見つけたことがある。かなり無名である。3年前にロンドンのラフトレードに行ったとき、オヤジに聞いたら知らなかったっけ。
たまたま水戸芸術館のミュージアムショップ「コントルポワン」で見つけて買った。気に入っていたがなくしてしまったので、アメリカのサイトで見つけて買い直した。
ちなみにコントルポワンは原宿のショップ「ナディフ」の姉妹店。ナディフは以前は池袋の西武美術館(西武デパートの12階にあった。いまのセゾン美術館ではない)の脇にあった小さな現代音楽専門のレコード屋の後身であるはず。あの店の名は何だっけ?
♪ 11
Vaka / Sigur
Ros
いまもっとも注目すべきなのはこのバンドだろう。アイスランドの Fatcat Records のバンド。このレーベルは他にも素晴らしいバンドを擁している。今年のフジロックにも来ていた。
これは「( )」という変なタイトルのアルバムから。ちなみにこのCDには曲名が全く記されていない。iTunes に入れたら曲名が出たから曲名はあるのだろう。この曲は彼らの代表作と目されている。
ギターをバイオリンの弦で弾いたりする。静かできれいな音。
2005年12月26日号掲載
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