d e n g e i

●「ウィークリーまぐまぐ」がいつの間にか配信されるようになってから、ち
ょくちょくその中からメールマガジンを選んで配信してもらうようになった。
好んでとっているのは、コンピュータ言語や昔の格言のようなものをかいつま
んで引用して解説してくれるようなタイプのメールマガジンだ。
●意図がはっきりしていて、短くて、気軽に読めて、タメになりそうだ。
●最近は、携帯向けによりコンパクトに編集されたものも増えているようだ。
●それに比較して、この電藝はどうだ。最近(たまに落ちることはあっても)
週刊で配信されるようになったことは評価しよう。しかし執筆陣の執筆の気ま
ぐれさ不安定さはいただけない。そして、原稿が長くて、何について書かれて
いるか予測がつきにくい。いかに反動的を標榜していようが、メールマガジン
としての特性を活かせていないのではないか。
●もっとスピード感のある、クールな情報を提供しなくてはいけないのではな
いか。
●それにしても、本当にたくさんの情報が、ネット上を流れるようになった。
あらゆる情報がネットの上にある。ライアル・ワトソンは、どこかでイカの集
団が地球の感覚器官を担っているという説を書いていたが、ネットが地球の神
経系をなすという説にも現実味を感じるようになってきた。
●ある未来予測学者は、ネットによってすべての人が(民主的に)必要な情報
に瞬時に到達できるようになると、楽観的にその効用を強調している。
●しかし、一方で、情報量の階級差が拡大する恐れへの継承をならす知識人が
いることも確かだ。
●アクセスがどんどん簡単になって行くであろうこと、実際にアクセスする人
間が増えるであろうことは予測できる。そこに流れる情報がますます増えて行
くであろうことも予測できる。
●しかし、必要な情報に、瞬時に到達できるかどうかと言うことについては、
どうだろうか。
ジャンクメールも同様に増えるだろう。ネットの上に反乱している情報の大
半は不必要な情報であり、不正確な情報である。
●先の未来学者は、サーチエンジンの機能が高度化することによって、そうし
た問題も解決できるという。誰もが情報発信者となり情報を共有し、その多数
の情報の中から必要な情報を選りすぐることによって、そこから新しい情報の
創造が行われるであろうと。
●またある人は、ネットによって従来型のテキスト(論文や評論や小説といっ
たもの)の形式は、その歴史的役割を終えて、新しい形式に置き換えられてい
くのではないかと語った。
●この文章は、ここで中断し、次回に終了する。
●しかし、その前に標題の「グルメぴあの逆説」について説明しておく。
●「グルメぴあ」という雑誌は、読者からの投票でジャンル別アイテム別に美
味しいお店を選定して紹介するという趣旨ものであるらしい。巷で噂のうまい
店が編集されて紹介されるのは便利なことではないか。読者からの情報で作ら
れる民主的なメディアの一つの達成ではないか。
●しかしながら、この雑誌は失敗するであろうと言われている。なぜなら、こ
の雑誌に紹介されるお店の上位に並ぶ名前は、結局「有名な」お店でしかない
から。


text/金水 正 
linking/電藝編集部