ローリング・ストーンズ スペシャル・エディション検証

「スティッキー・フィンガーズ」
アンディ・ウォーホールによる傑作ジャケット、俗に言うジッパージャケの
紙ジャケ化だが、このCDの一番の問題は最初からズボンの中の部分が見えてしまうことにある。
左のようにパカッと中身が見
えてしまうのである。
これでは意味がない。
本来はファスナーを開けないと
中のウォーホール印のパンツは
見えない。
だからファスナーを下ろす時に
得体の知れない期待感があり、
まぁドキドキするわけだ。
このあやしい感じがストーンズ
のサウンドの猥雑さ、エロティ
ックな感じにつながっていく
のである。最初から丸見え、おっぴろげ状態では元も子もない。
右がLPであるが、あかない
ようになっているのがわかるだ
ろうか?
要するに作りとしては、普通の
レコードジャケットの表紙にパ
ンツを印刷し、その上からファ
スナー付きのジーパンの紙を貼
り付ける仕様なのである。
またUKオリジナルはトップオー
プンで上から出し入れする。
このCDの仕様ではデザインコ
ンセプトは愚かストーンズの特
長さえあらわすことはできない。


「サム・ガールズ」
上の 比較写真を見ると、色味がちょっと違う感じがするが、まあ
ちゃんと再現してあるように見える。しかしこれもひどい。

右がCDだが、顔の数が違うのがわかるだろうか?
CD版では本来インナーに印刷されているべき、
メンバー以外の顔が変な色に塗りつぶされてしまっている。

下が問題のインナー。左がLP、右がCDである。
このように顔が減ってしまっている。
このジャケの面白さはというか、仕掛けの意味はインナーをずらすことで様々な女
たちが現れること、ヘアー・モード ・ヴァリエーションが楽しめることにある。
このCDでは全くそうした面白さがカットされ、ただ顔型に穴をぬいてあるだけな
のである。
まさか肖像権の問題でインナーの顔写真が使えなくなったわけじゃないだろうし、
なんでこんな馬鹿な改訂をしたのか本当に意味不明。
<追記>やはり肖像権の問題でオリジナルのままのインナーは使えないそうです。
ラクウェル・ウェルチの顔とか勝手に使ってたもんな。
ちなみにインナーにはCover under reconstructionとそこら中に書いてありました。
関係者の方々すみませんでした。


まぁとにかく結論としては日本のEMIで作り直して欲しい。ホント。
→めでたく日本制作版が発売されました(99/3)。3種類の比較はこちらへ


ストーンズ関係では後、
立体シールの「サタニック・マジェスティーズ」、
八角形 ジャケの「ビッグ・ヒッツVOL2」、
(これは写真の通り解説もレコード袋の下側も八角形カットである)。
ウォーホールによる素晴らしい「ラブ・ユー
ライブ」(これはカラフルなレコード袋がポイント)がある。
この辺も是非紙ジャケ化してほしいものだ。
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