2024年度紙ジャケ大賞 選考経過
W:はい、今年はまた2人に戻りましたー
S:シクシクシクシク・・・
W:このご時世しょうがないね
【第27回紙ジャケ大賞 2024年グランプリ】
★★★ルーチョ・バッティスティ★★★
S:評価の高い「ソニー・ミュージック・プログレッシヴ・ロック・紙ジャケット・コレクション」、
今回は第5弾でイタリアンロックの重要アーティストが紙ジャケ化されました
W:6タイトル全作品2024リマスター、世界初紙ジャケット化で、そのうち4タイトルが日本初CD化なんで、もう文句なし!
こんな重要作が、なんで今まで残っていたのかね?
S:イタロのゴッド・ファーザーといいつつ、日本ではそんなに・・・ですかね
W:内田裕也さんみたいなもん?
S:うーん・・・
W:うーん・・・でも聴いてみたら、歌謡性と実験性があって素晴らしいと感じたな
S:史上最高のカンタウトーレです!
W:カンタ、トイレにいく!
S:うーん・・・
W:うーん・・・まあ、今まで聴いてこなかった重要アーティストを、まとめて聴けるのが紙ジャケのよさでもあるからね!
素晴らしいリイシュー!大賞にふさわしい
S:パチパチパチ
【ROCK/POPS部門】
部門賞次点:「スラップ・ハッピィ」
S:ROCKの次点はスラップ・ハッピィです。ヘンリー・カウなどの関連作品もでました
W:このデビュー作もアンソニー・ムーア監修なんだけど、いきなりボーナストラックのメンバー紹介から始まってビックリする
S:もう何回目かになるんでいろいろ趣向を凝らしてますね。ジャケットも、ノンコートでインサート付きのドイツジャケ・タイプを再現
W:ドイツ盤てこと?
S:イギリス盤でドイツ・ジャケのものがあるんです。誰かが余計なアドバイスしたのかもしれませんが・・・
W:英独ではどっちがいいの?
S:英盤はコンプが効いていて、やっぱり英盤らしい良さが。ドイツはよりナチュラルにすっと伸びていく感じですかね
W:じゃああなたの初盤道的にはドイツ盤なんだね
S:そうですね・・・
W:去年部門賞をとったWasabiレコードのモダンラヴァーズは今年も3位と健闘してるね
S:ジョナサン・リッチマン関連再紙ジャケなんですが、24年DSDリマスターで、タイトルによってはリバーシブル帯仕様と凝ってます。
米国盤LPを元にしているけど、「ライブ」だけは英盤がオリジナルだから英盤仕様にして欲しかったですね
W:どっか違うの?
S:ステッカーくらいですかね・・・
W:キャサリン・ハウはジャケが美しい
S:紙ジャケ向きですね。裏ジャケの写真もどうぞ!
W:ポール・マッカートニー、クイーンのメジャーどころの再発紙ジャケもあったね
S:今までの隙間を埋めてくれる、痒いところに手が届く紙ジャケ化でしたが、
ヴァン・ヘイレンは、LPボックスのジャケを紙ジャケ化、、、ってよくわかりませんでしたね・・・
W:インドネシアのDiscus3タイトルも話題になった
S:元が99年と03年なんでCDリリースなんですが、何故か紙ジャケ箱に転生して映えましたよねー
W:ライブ盤のジャケが「フォックストロット」の日本盤みたい
W:10位はいつもながら値段がうれしいオールディーズ紙ジャケだけど、今年のビーフハートの黒ジャケは何盤を復刻したの?
S:隊長筋の偉い人に聞いたら、こんなジャケの盤はないといわれました
W:じゃあこのオールディーズ版だけなのか。ボートラも付いてるし、いっそのことアナログ盤にすれば人気でるんじゃ?
S:世も末な気もしますが、欲しい人いるかもですね
【JAZZ & SOUL & RARE GROOVE部門】
部門賞:ヨアヒム・キューンとか
W:ジャズは無かったねー、もうレアグルもひと段落したし
S:キューンはともかく、マサカーはジャズ部門でいいのかな
W:これをジャズにしないと部門賞が成立しないんだよ!
しかも、解説が凄いんだ!
マサカーなんだけど、まるで「カインド・オブ・ブルー」みたいな解説だろ?
S:確かに、これは凄いな。まるでジャズの名盤の復刻の変遷みたいだ
W:だろー?あとはクィンシー・ジョーンズが亡くなったのも大きな話題だったな
【J-ROCK/J-POP部門】
部門賞:北村昌士+フォトジェニックス
W:J部門でリリースされた紙ジャケは再発というか、リピートに近いものが多くて、ちゃんとした新企画はあまりなかった
S:部門賞の北村昌士+フォトジェニックスは和アンビエントの傑作ですが、2022年にアナログで復刻されたものが24年に紙ジャケ化されたもの
W:そういう意味では正統なリイシューの道筋をたどってはいるんだな
S:あとは友川かずきとか友部正人なども出たんですが、どうしてもシングルジャケをW紙ジャケにして復刻しているものが多かった
W:やっぱりシングルジャケだと貧相なんだろうけど、他の方法でリッチ感を出して欲しいよな・・・
S:再発、復刻という意味で言うと、紙ジャケじゃなかったけど、RCサクセションとかタイマーズのボックスはすごかった
W:ちゃんとやるとやっぱりこうなっていくんだろうな。プログレ関係の箱も多かったしね。しかし財布にキツイ
S:この復刻もそうですけど、タイマーズって今でもというか、今こそ求められているバンドだと思いましたね。
またこんなバンドが出てきて、演奏してほしい。
W:減税の歌とかインボイスの歌を
【ワールド・その他の部門】
【海外部門】
イタリアン・ライブラリー・ミュージック
W:ついにライブラリーものも紙ジャケが!
S:このシリーズは輸入盤に日本製紙ジャケをつけたものですが、でもよくぞ出してくれた
W:好事家が喜ぶリイシューはいいよな。オカルト紙ジャケも面白かったし
W:それから結局紙ジャケじゃなかったけど、テリー・ライリーが日本にいてそのライブが新譜で出るってすごいことだと思う
【選考を終えて】
S:一昨年まではアナログとサブスクに二極化傾向だったんだけど、さすがにアナログが高すぎて買えなくなってきました。
とはいえ、世界的な物価に連動して高くなっているので、アナログが高いというより、日本の所得が低いままなのが問題なのかも
去年のレコードの日や、ブラック・フライディのレコード・ストアデイなんてほとんど人が並ばなくなってしまってましたね
W:転売ヤーも愛想をつかしたと
S:それはある意味いいことなんだけど、全体的な熱量は確実に落ちてますね
W:だけどタワーVinylなんて買ってく客の7割近くがインバウンドなんだろ
S:彼らは物価3倍感覚ですからね、6千円のアナログが2千円の感覚。ランチなんて3千円みたいだから、日本の1千円ランチなんて安くて天国だといってました
W:貧しいのは日本だけか・・・
S:日本は独自にCDがまた盛り上がってくれたらいいなと思いますねー。新譜の廉価盤CDなんて、いまだに1,800円とかですからね
W:原料や製造が安いママなんだと思うけど、企業努力を感じるよね
S:今年はもっとCDを買うようにしたいなと思いますね
W:ところで今年はイベントはやらないの?
S:久しぶりに初盤道のイベントをやろうと思ってます。イギー・ポップとピストルズ来日記念で!
★★★初盤道イベントのお知らせ★★★
<祝!来日記念 イギー・ポップ&セックス・ピストルズ>
レコードコレクターズの人気連載「初盤道」久々の店頭イベントです!
今回は3月末に来日が決定しているイギー・ポップとセックス・ピストルズ。連載で掲載した初盤の音を、実際に体験できる機会です!
入場無料ですので、是非ご参加ください!
日時:3月8日(土)15時開始
場所: diskunion ROCK in TOKYO(渋谷)
参加無料
問い合わせ:03-3461-1809
イベント概要はこちら!
(了)