紙ジャケ大賞2001受賞記念
ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ
Bob Marley and The Wailers
比較検証
バスバスバスバス、バスだらけ〜っと。冬だというのにレゲエです。
やるやるといっていたマーリーの比較検証、とうとう紙ジャケ大賞受賞記念にかこつけてやることになっちゃいま
した。遅れてゴメンナサイ。
ザッパ、フロイドと重くてDEEPなのが続いたんで軽くやるのだ、ジャ〜。ラ〜スタ〜。

Catch A Fire


LP
1.UK ISLAND ILPS 9241 (73/5/4,Original,Pink Rim Palm Tree Label,Open Zippo)/MACKINTOSH Credit
2.EU ISLANDTGXLP1 (2001,Remaster,Open Zippo)MACINTOSH-MACKINTOSH  Credit
3.JP ISLAND POLYSTAR 20S-81 (Reissue,Unopen Zippo) MACKINTOSH  Credit
4.Jamaica TUFF GONG 422-846-201-1(80`s? , BARRY DIAMINT REMASTER) MACKINTOSH Credit
5.US MOBILE FIDELITY MFSL1-236 (1995,ANADISC200 5000ONLY NUMBERED,Gate Fold Cover)MACKINTOSH Credit
CD
6.JP Polydor PHCR94701(1998/5,BARRY DIAMINT REMASTER,papersleeve,Gate Fold Cover)MACKINTOSH Credit
7.JP Univarsal UICY3171(2001/7,Ted Jensen REMASTER,papersleeve,Open Zippo)/MACKINTOSH Credit
8.US/JP TUFFGONG/ISLAND/UNIVERSAL UICY7030/1(2001/5, Ted Jensen REMASTER,2CD,Digipack,Unopen Zippo)/McINTOSH  Credit
9.US TUFFGONG/ISLAND/UNIVERSAL MUSIC CATR-05017-2(4trk promo,card sleeve)
10.US MOBILE FIDELITY ULTRADISC UDCD654(1995,Golddisk),MACKINTOSH Credit
DVD
11.JP EAGLE ROCK/Nippon Columbia COBY90090"Classic Albums-Making Of Catch A Fire" 
うわ〜なんだこりゃ。カル〜くやろうなんていって、11枚もあるじゃないの。
これじゃレゲエファンの方は何がなんだかいやになっちゃうだろうから、簡単に説明すると、
1が英国アイランドオリジナルの開くジッポージャケ。2が去年でたリマスター復刻LP、7の紙ジャケと同じリマ
スター。3が日本の再発盤で開かなくなったジッポージャケ。4は旧デジタルリマスターのジャマイカ盤。ハッパ
を決めてるセカンドジャケだ。これと6の昔の紙ジャケは同じリマスター。で5と10がモービルフィデリォティ社
という高音質盤で有名なところからでたLPとCD。 8は今回のリマスターの発端となるデラックス・エディショ
ンで、9はそこから注目のジャマイカ・ヴァージョンを集めたプロモ紙ジャケ。11はDVDでアルバム解説シリー
ズのもの。
って、これでもタイヘンね。

年々評価が高まって、去年のリイシューでそれが決定的になったこのアルバム。もう名作の地位は揺るがないでしょ。
音はどれがいいかな、っていうと、オリジナルの英盤がいいのはおいといて、今回のリマスター群も負けちゃいま
せん。

クリアさとアタックの強さはオリジナルをしのいでます。ま、なんといってもビックリなのはデラックス・エディ
ションに入ってるジャマイカ・ヴァージョン。これは簡単に説明すると、最初にジャマイカで録音したもの。その
テープをミックス・ダウンしたものです。アイランドの社長さんから4000ドルもらって、好きにとってこーい、
といわれて出来たモノだ。太っ腹だな、ブラックウェル。
で、マーリーはジャマイカで録音したテープを持って、イイモンできたよ〜んとイギリスに持ってったのだ。でも
社長さん、発売する時になって、ロック・ファンにも受け入れられるようにギターとキーボードをダビングした。
きっとフリーの「オールライト・ナウ」でダビングして大ヒットしたんで味をしめたんだな。それがオリジナル・
ヴァージョン。間違ってはいなかったと思う。ヒットしなかったけど。
でも、今回、ジャマイカ・ヴァージョンを聴くと、やっぱコッチの方がいいのだ。まぁレゲエが定着して違和感
なくなってるからだろうが、ああ、涙がでるほど、いいよ。プロモ紙ジャケはそのジャマイカ版のいいとこ取りで
便利です。
今までシングルのB面やBOXセットで2曲は披露されてたんだけど・・・
「SONGS OF FREEDOM 」UK TUFFGONG TGCBX1 92/9
ま、これ以上の詳しいことはレココレの記事をごらんくださ〜い。とにかく素晴らしいです。やはりダビングすると
本来の躍動感は死んでしまう。ジャマイカ版は音が生き生きとしていて、しかも空間というかスキ間の空き方が絶妙。

でも私は脳にオーヴァーダブしたオリジナル版がこびりついてるからなぁ。客観的な判断じゃないすねぇ。
タイムスリップできるなら、オリジナル版より先にジャマイカ版を聴いてみたかった。印象は大分違うはずだ。とり
あえず自分の子供で試してみよっと。
「お父さん、なにこのヘンなギター?どうしてこっちがオリジナルなの?」
「・・・・。」

まぁいいやオリジナル版の音質比較だ。
デジタル・リマスターのアナログ盤は、当然CDと音の傾向はいっしょ。アナログらしい低音の広がりはあるけれ
ど、それほどでもない。メリットはジャケがでかいだけなんだけど、できは荒いぞ、ジャ〜。
(しかもごていねいにジッポージャケは初回だけ、セカンドプレスからハッパジャケになってしまった)。
よほどアナログが好きだという人以外は紙ジャケで十分でしょ。
紙ジャケ全開図

笑っちゃうのはジャマイカ再発リマスターLPで、な、なんだこのボヒョワ〜とバカでかい低音は?なんちゅう
カッティングしてんねん。低音でかけりゃそれでいいのか。そうか、ジャ〜。サウンドシステムはそうでなきゃい
けないのか。でも日本の我が家にはそんなシステムないのです。もう聴きません、ごめんなさい。
旧紙ジャケはそれと同じリマスター。でも低音はもちろん普通。
なおジャマイカのオリジナルはTUFFGONG19329FGで音はこもってるらしい。

モービルはLP/CDともモービルらしく低音がのびていてバランスがいいが、レゲエ向きじゃないすね。
音が伸びてスキ間を埋めてしまうとどうもイマイチなノリである。
モービルからは「エクソダス」も出てます(MFSL 1-221)。

で、英国アイランド盤だ。最初の1年で1万4千枚くらいの売り上げということだ。が、これには問題が
あった(オレだけだけど)。
英レコードコレクター誌のガイドによると、オリジナルはZIPPO SLEEVE でORIGINAL LABELと書いてある
のだ。ジッポー・ジャケはわかるとして、なんだ? オリジナル・レーベルって。
なんかマーリーの顔でも印刷してある独自のレーベルデザインなのか?
オレのはPINK RIM PALM TREEといわれてるいわゆる島アイランドのレーベルなんだけど、これじゃだめ
なのか?
UKアイランド盤 レコード袋も独特のカット
へんなレコ袋だが一応イギリス製
で、決め手はやはりMATRIXだ、じっと見てみると、ガチョーン、
ILPS 9241 A-3U
ILPS 9241 B-4Uだ。
こりゃあかん、きっともっと若いA-1U/B-1UとかのMATRIXで、オリジナルデザインのレーベルがあるんだろう
なぁ、とあきらめかけたのですよ、一度は。

あ、でもチョト待てよ。このアルバム、最初はアイランドのレゲエ専門レーベル、Blue Mountain Label から
出る予定だったのだ。だから最初の品番はBML-2001で、それがMATRIXに彫られて、さらに消されて修正されて
いるのである。
それは何番なんだ?っていうか何Uなの?
A面MATRIX、上が消されたBMLの品番
B面MATRIX、こちらも上は修正されている
見えますかね?ほらほらほら〜、BML2001という修正された部分がすでにA-3U/B-4Uなのだ。
それがそのままILPSの品番にひきつがれている。カッティングされたマスターの順番はいっしょということだ。
て、いうことは、これが最初のMATRIXだ。間違いない。ラッキー。
こっから類推するとORIGINAL LABELというのはきっとPINK RIM PALM TREE。英レココレもちゃんとそう書けば混
乱しないのに(だって他のアイランドのアルバムはPINK RIMならPINK RIMと記述してあるのだ)。
な〜んて書いてると、またフロイドの時みたいにちがうよ〜カスタムレーベルあるよ〜って人が出てくるのよね。
ああいやだ。でもこれはちょっと自信あるぞ。
(で、もしかしてBMLの1Uってジャマイカmix版かよ??)
それにしても人によって違う人生があるように、1枚のレコードにもそれぞれ歴史があるんですなぁ。
MATRIXはその歴史を解く鍵なのだ。

そんなこんなで一件落着したので、安心してゆったり聴いてみる。うーんさすが、初版、いい音だ(笑)。
鮮度が高いのは初版なのだから当然。これはどうしようもないのだ。
で、"コンクリート・ジャングル"でロニー・シェイクスピアのベースが深く沈みこみ、生き物のようにうごめくの
はこれだけ。独特の倍音成分がきちんと残っているせいだと思う。リマスター盤も素晴らしいがさすがにこれは無
理か。

で、問題のジャケの復刻度だ。
オリジナルのジャケットはZIPPO型のライターがパカッと開くギミック・カバーで、アイランドの社長ブラック
ウェルさん、リキ入ってたんですね。だからやっぱりこれは再現してて欲しいわけです。
開くZIPPOは英初版の他にも米初版(SW9329)、仏の再発?(ISLAND9123013,Blue Island Label)  がある。
日本版も最初は開くジッポーだったとのことだが、キングのICLナンバーかもしれず、そうでないかもしれず、
日本人として恥ずかしいがわからないのだ。ジャ〜。

英盤は最近値上がりしてて状態が良ければ2万くらいするらしい。米盤もこの間シールド未開封が243.5ドル
で落札されていた。どゆこっちゃ。状態ボロなら米盤は5000円しなかったと思うんだけど、最近すぐ値上がり
してるからなぁ。

で、このジッポーの中古盤で、一番問題になるのがヒンジの部分。ここがダメになってる場合が多いのである。

左が英盤、右紙ジャケ。状態悪いな、オレの。ま、ともかくなんか頭が閉じた鋲型のでガッチリと止められてい
る。紙ジャケは穴が開いている。ZEP3の回るジャケの中心の金具がわかる人はあれを思い浮かべて欲しい。
あの金具も英盤だけ頭が閉じていた。
でも、紙ジャケと同じタイプのUKオリジナルもあるようだ。だからいいのよこれで、ユニバーサルさん。

こちらはリマスターLPのヒンジ部分。紙ジャケといっしょだ。

ライターのふたの上部にタイトルが筆記体で書かれているのも再現しているのは紙ジャケだけ(大ボケで読めませ
んが)。リマスターLPはない。印刷も紙質も紙ジャケの方がいい。LP版はレコード袋もなんもついてないし、
復刻への愛情は紙ジャケの方が数倍まさっているのではないか?ジャケがでかいだけで持ってても愛着わかないの
よね、このリマスターLP。

ハッパふかしのセカンドカバーはどうなってるかというと、

これが裏ジャケ。左のジャマイカ盤LPがまぁ普通。印刷精度ゼロだけど。で、右下が旧紙ジャケ。なんだこりゃ。
そう、CDのブックレットをそのまま紙にしただけです。

で、見開きタイプのセカンドカバーで、モービルなど。一応、内ジャケでジッポーを再現しようとしており好感が
もてます。下はモービルのCDのブックレットでこれもがんばってる。右下が旧紙ジャケを開いたところ。言葉も
でません。見開きにする意味あんの?ってことでこれ以降は登場させません。それにしても今回の紙ジャケはよく
これだけレベルUPしたよな。ユニバーサルさん、えらい!(でも2回も買ったぞ)。


ジッポージャケの裏側。紙ジャケは完璧な復刻だ。

後はクレジット問題だ。このアルバムはウェイラーズ名義だが、マーリー以外の2人、ピーター・トッシュとバー
ニー・リヴィングストンの名前が最初から間違っているのだ。ああ、レゲエっていいな。

英オリジナルのクレジット部分。名前は写真左側とジャケ下部に2カ所書かれているがどちらもまちがっている。
McINTOSHがMACKINTOSHとキットカット状態になり、
LIVINGSTONがLIVINGSTONEとEがついて生きている化石さんになってしまっているのだ。
で、今回ちゃんとなおってるのはデラックス・エディションだけでした。


上の写真はリマスターLP。さらに悲惨。MACINTOSH?また、あらたな間違いが・・・しかもジャケ下部の表記は
MACKINTOSHとKつきのオリジナル通りのミスのまま。統一のとれてない表記で、しかもどちらも間違っていると
いう。話を複雑にするんじゃな〜い!これ一つとってもいい加減な復刻だということがわかりますねん。だから私
はこれ以降のリマスターLPは買いませんでした。

もちろん紙ジャケは、オリジナル通りのまま、統一して間違ってます。どうせならこれでいいのだ。
ま、本人達きっと気にしてないのね〜、ジャ〜。ラースタファラ〜イ。

Burnin'

ウェイラーズ名義最後のアルバム「バーニン」。左が英オリジナル(ILPS9256 73/10,Pink Rim Label,GF,Inr)で
右がその英再発盤(Blue Small Island Label)。下が紙ジャケ。

いや、これがものすごい原盤衝撃度!A−1の"Get Up,Stand Up"が鳴った瞬間にとびあがります。しかも曲後半の
コーラス部分で3人の声がからむところなどは鳥肌がたちまくって羽まで生えそう。
いや〜、これはすごいス。これはね、リマスターがいくらがんばって素晴らしくても、かなわない。ここまでオリ
ジナルがいいと無理ですよ。十分いいです、リマスター。でもレゲエファンで、レゲエの音ってのはよぉ、って
のたまうアンちゃんは一度は聴いてみてください、UKオリジナル盤(matrixは両面1Uです)。
「キャッチ〜」のようにオーバーダブのためにマルチをトランスファーしなかったのが効を奏したのか(よく知ら
んが)、それともウェイラーズが極度に充実していたのか。
楽曲、演奏、録音、製造が強い意志のもとにまとまるとこうしたオリジナル盤が生まれてしまうのである。おそろ
しい。しかし、こんな感動があるから音楽あさりはやめられないんですよね。

見開きです。下の英再発盤(青いレーベル)はなんでここまで?っていうくらいショボい音になってます。まった
くアイランドは。これだったら紙ジャケの方がましです。でも、リマスターで超えられない領域があるんですよ。


残念ながら紙ジャケで再現されなかったインナー。予算的な制約があったんでしょうか。メンバー紹介も楽しい、
いいインナーなんですけどね。
うーん。まぁこのアルバムはいいかぁ(軟弱)。どうせ超えられないからな。どう完璧に復刻したって。


つうことであきらめたのか、背表紙の色も紫になっちゃってます(そんなわけないか)。一番上が紙ジャケね。
ま、まさかインナーつけなかったり色をわざと紫にしたのは、これは原盤買いなさいっていうユニバーサルさ
んの粋なはからいでは?
もちろんレアじゃないですし、2年くらい前は2000円くらいで買えました(リマスターLPより安いぞ)。え?
今はそんなんじゃない?それは失礼。最近値上がりすごいからなぁ。


このアルバムの初版の条件として、裏ジャケのクレジットがあります。上がオリジナルで、下が再発の裏ジャケ。
最後の曲の楽曲クレジットがpendingになってるのがオリジナル。そう、誰の曲かはっきりしないままリリースし
ちゃったわけです。まぁ、そう書いてる分、レゲエのレコードとしては良心的ではないかと。

裏ジャケ左下のペンディング表示。

それにともなって、左上の曲目の後に*印がついてます。
この2カ所とも紙ジャケではきちんと(?)再現されています。でも、大丈夫なのでしょうか?楽曲クレジット
未定のままで・・・。もちろん輸入CD、リマスターLPは修正されています。

内容的にもウェイラーズの最高傑作。この後マーリーは実質的にソロになるので、まぁエクスペリエンスとジミ
ヘンみたいな、もっと端的にいうとインプレッションズとカーティス・メイフィールドですよね〜。
ジミヘンもマーリーもカーティスの影響下にいたわけですからねぇ。何がいいたいかというと、カーティスの紙
ジャケもぜひ出して欲しいなぁ、という.....。


ちょっとつかれてきたんで、とばしてライブ編にいきましょう。
そうです。白状するとマーリーのソロも好きなんですが、それ以上にウェイラーズが好きなんですよね、私。

LIVE!

上が英オリジナル(ILPS9326 1975/12)、下が日本版(TOSHIBA EMI ILS80451)
真ん中が紙ジャケです。リマスター素晴らしいです。歴史的傑作が見事によみがえってます。旧紙ジャケは写す気
もありません。しかし、この音はオリジナルよりいいかも。ずっと聴いてるとちょっと疲れるけど・・・。ま、こ
れはしょうがないですね。
で、なぜかこの紙ジャケ、ポスターがついてます。「ライブ」の初版にポスターがついてるのはオランダ盤だけ。
しかもマーリー一人のポスターでアイ・スリーズはうつってないはずなんですが。
そもそもこのライシアムでのライブ、ジュディ・モワットは不参加だったんで、ポスターに3人うつってるのは不
自然。で、紙ジャケのポスターをよく見ると、端っこに文字が・・・。

ん?この紙ジャケ付属のポスターに書いてあるISLD11というナンバーは?

BABYLON BY BUS

そう、こちらの品番。「バビロン・バイ・バス」についてたポスターで〜す。うーんどうしてだ。きっと、買うな
ら両方買わなあかん!バビロンなんかもともと2枚組が税抜き1748円。両方買って完品なのだぁ!というユニ
バーサルさんのご意向でしょう。その考え、賛成します。

で、上の写真は上3枚が全部アイランド盤ISLD11(1978/9)、下段左端も。
下段中央が日本初版(TOSHIBA EMI ILS-50027/28),左端が紙ジャケ。
このすべてISLD11の4種類のバス、全部窓開きエンボスなのだが
上段右から
typeA:ISLD11*と背表紙に米印つき ガッシリとしたジャケ エンボス浅い
typeB:ISLD11*と背表紙に米印つき ガッシリとしたジャケ エンボス深い
typeC:ISLD11と背表紙に米印なし わりと頼りないジャケ すべての部材にMADE IN ENGLAND表記 
typeD:ISLD11と背表紙に米印なし わりと頼りないジャケ ISLANDロゴなし 窓はミシン目でくりぬけるようになっている

で、これが各タイプの裏ジャケ下部分。 上からABCD、一番下は日本版です。

赤線がMADE IN ENGLAND表記。これがCで、きっと欧州盤。そう書いてないのが英盤である。
なぜでしょう?ラスタに聴いてください。でもこの頃けっこうこのパターンはあったようです。
この場合の欧州盤はイギリスで売ってた欧州製造のレコード(ジャケットはイギリス印刷)ということですが。

その下のアイランドロゴなしで、ミシン目窓つきのDは謎。ホントの初版か再発への移行期か、ただの印刷ミスか
のいずれかです。
で、AとBはMATRIXから勝手に判断すると、Aのエンボスが浅い方が初版に近いようです。


Aの英盤とCの欧州盤はインナーの表記方法も違います。


上がA、下がC、中古屋さんで間違えないようにね。


Dは窓が自分でくりぬけます。赤丸部分がミシン目。うーん、謎。工場のおばちゃんがとりわすれたのか?


AとCに付属のポスター。赤丸部分に謎が。


上がAの英盤ポスターの表記。「ライブ」の紙ジャケはこれを復刻。これで正解だぁ。
下がCの欧州盤ポスターの表記。


Cの欧州盤には何故かEngland表記が....。ま、よくある話のようです。


紙ジャケは非常によくできています。これで1748円は圧倒的に安い。いいのか、ホントに。


でも落とし穴もあります。赤い部分がエンボスなのですが、肝心の表センターの地球エンボスが再現されていない
のです。
でもこれはちゃんと初版を調査した結果だと思います。なぜかというとAの英盤はエンボスが浅くて、この地球の
部分は「なんか、かけようとしたような気がするんだけど・・・」程度なのです。
そのせいで次の版以降はエンボスを深くしたのかもしれません。
紙ジャケはまったくかかっていませんが、ま、これもラスタのおぼしめしでしょう。

何しろ音質は圧倒的にいいです。発売当初の不評がウソのよう。
とにかくLPが出た頃はジュニア・マービンのギターが、もういい、もうわかったからお前は弾くな、状態で
けっこう邪魔だったんですが、リマスター盤はあまり気にならなくなりました。
おそらくベース、ドラムが強調されてボトムが安定したからでしょう。

曲のテンポがスタジオより速いのも不評でしたが、こうして低音が安定するとせっかちな印象が薄れて、なんか、
ブラック・ミュージックの上質なエンターティメント、それこそカーティスやサム・クックのライブ盤と同等に
扱ってもいいんじゃないの?って思えてきました。
レゲエの闘士というより、エンターティナーな2枚組ライブとして聴いて欲しかったのかな、なんて。
ということでLPに比べて広がりはなくなっていますが、それを補って余りあるリマスターだと思います。

EXODUS

デラックス・エディションとの関係でのびのびになっていた「エクソダス」も無事発売になりました。
写真はUKオリジナル(ILPS9498 77/6)と紙ジャケ。
紙ジャケはとてもできがよく、ゴールドジャケ、表裏のエンボスも再現。裏ジャケの文字関係もていねいな復刻。

インナーのカタログは紙ジャケにあわせて変更してある。

まとめ
今回の再紙ジャケ化は音質、ジャケの再現、価格と三拍子そろったまるで復刻のお手本のようなもの
だ。素晴らしい。
ポスターの件、アップライジングのジャケの件などちょこちょことミスはあるが、これはご都合主義の
ものではなく、リサーチの後が見えるものだ。キンクスもそうだったが、ミスはしょうがないのだ。そ
もそも復刻に対して担当者が愛情もこだわりもないのが問題なのである。ま、これくらいのミス、レゲ
エだし、ラスタも笑ってゆるしてくれるでしょう。ジャ〜。
我々も日本のユニバーサルさんに感謝したいと思います。なんてたって、この間ebayでzippoの紙ジャケ
が9000円くらいで落札されてましたからねぇ。日本ではまだ売ってんだけど・・・。やはり世界的に、
価値があるものはわかるのか。

オマケ
その他ボブ・マーリー関係で紙ジャケ化してほしいものなどなど。

Wailing wailers/Jamaica/Studio1/S1001(Reissue)
ん〜やっぱこれでしょう。「ウェイリング・ウェイラーズ」。
上はジャケの写真がコーラスグループタイプの再発盤。
オリジナルはレッツゴー三匹タイプの写真なのだそうです(見ると一発でわかります)。


AFRICAN HERBSMAN/UK/Trojan/TROJAN TRL62/1973
リー・ペリーとの「ソウル・リヴォルーション」をもとにした編集版。
ヴォーカル/コーラスがピュアに響きます。ホーンをともなったリズムもカッコイイ。
特に"ライブリー・アップ・ユアセルフ""トレンチ・タウン・ロック"はこのヴァージョンが最高という
人も。

再発盤がいっぱい出ているので注意が必要。ものひどい音質なのだ。
オリジナルは上記のトロージャン・レーベルで紙がしわしわのテクスチャー・レーベル。

 
ジャケ裏の住所が12NeasdenLaneで、Marketed by B&Cと書いてあるのがオリジナル。
LPで買うならオリジナル以外は買わない方がいいと思う。



Bunny Wailer/BLACK HEART MAN/SOLOMONIC/ISLAND ILPS9415/1976
「バーニン」に匹敵する超名盤(と個人的に思っている)「ブラックハート・マン」。
ジャケは怖いが内容は絶品の美しさ。泣けます。
原盤は英アイランドだが、これはジャマイカ盤。

 
見よ、このソロモニック・レーベルを!

しかしこの頃のジャマイカ盤はほんと、砂まざってます。盤面がブツブツしてるし。
音もプチプチジャリジャリバチャバチャ色んな音がするんですが、これがジャマイカ盤の醍醐味。ノイ
ズの彼方から極上のハーモニーやダブのリズムが浮き上がってくるところが最高の快感なのじゃ〜。
でも、当たりはずれが多いから、試聴してから買いましょう、ジャマイカ盤。

じゃ〜。
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