日々のケダマ

服を着た犬はもはや珍しくなくなったが、ペットショップに行くと「トナカイ」とか「ししまい」とか、季節ごとの犬猫用の「かぶりもの」もよく見かける。

自分でも猫を描くときに、年中行事にちなんだ衣装を着せることはあるけれど、本当は毛皮の上から服を着せるのはどうにも落ち着かない。別に動物愛護の精神ではなくて「布と毛皮なら布がインナーで毛皮がアウター」というイメージがあるからで、そもそも毛のない爬虫類なら抵抗はない。犬猫もあらかじめ毛を剃って布の服を着せるならいい気がする。何ならその上に毛皮を羽織らせてもいい。そうなるともう何をしたいのかさっぱりわからないけど。

外で見かける犬は、服を着せられていることには頓着しない様子で歩き回っているが、猫の場合はどうなのか。知人の飼っている猫は、服を着せたとたんに座り込んで動かなくなった。うちの猫には服を着せたことはないが、ランドセルのように腕を通して固定するハーネスを装着したら同じように動かなくなってしまった。興味津々の屋外のはずなのに、ベランダでへたりこんだまま目だけ動かして周囲を伺っている様子は、見ていて気の毒になるほどだ。猫というのは、肩や背中に負荷がかかると動く気力をなくす生き物なのではなかろうか。犬に比べて猫の服が普及しないのは、そういう理由もあるのかもしれない。

2008年12月22日号掲載 

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