シュウカツの第一歩は3年生の5月。
夏休みにインターンシップをしたい、でも旅行もしたいから早く決めたい、どうしよう? 早い時期、たぶん5月に大学の掲示板に張り出された教育系中堅商社に応募してみた。まだ皆見ていない時期だったし、それほど有名ではない会社だったせいか、書類選考のみですぐ8月末に2週間のインターンシップが決まった。暑い時期、家から1時間少しかかるので母としては心配だったが、すぐ決まれば楽かなとそこですることにした。
インターンシップは流行りで、本番の内定をとるよりも大変などと言われている。大手商社や広告業界などでは競争率1000倍などというから、シュウカツと変わらない。内定とは無関係と雑誌などには書かれているが、現実には、インターンシップで出来が良ければ、シュウカツが始まる時期に「うちへ入りませんか?」というメールが来て、承諾すれば内定できるケースがある。
8月の2週間のインターンシップは娘にとって大変充実していた。暑い中スーツを着て希望した広報を担当。名刺まで作ってもらい、いろいろな会社へ行って広報のページを作成するなど、遅いときは帰りが夜10時過ぎになることもあり、多少やり過ぎとも感じたが、いきいきと通っていた。最終日はある製品のプレゼンなどをして終わった。ちなみに「踊る大捜査線」の舞台に使われた会社である。
シュウカツの結果からいえば、この会社はインターン経験と内定はまったく無関係で、娘は2次面接で落とされて最終面接まで進めなかった。
まあ、驚くほど出ていること! とくに面接に関しては多くブックオフなどで安く購入。世間知らずの娘にとって業界マップはかなり役にたった。面接本は結果的には不要だったが、その他のこと──例えばESに書く「この業界の志望動機」欄など──は、疲れている深夜などに多少は参考にしていた。社を回った後の夜など、何しろESを書く時間が膨大で、大変な労力だったはずだ。
毎日ナビ、リクナビなどPCで新卒リクルートへプレエントリーし、パスワードをもらう作業から始まる。これは誰もが同じだ。
10月頃になるとドサッと大量のシュウカツ資料が家に送られてくる(3月までには膨大な量になった)。その後、写真撮影。「上手く撮ってくれる」 という店や、クーポンで安くなる店などがあるが、焼き増しもかなり必要になるので、結局、近くて便利な「55」とかいう近所のショップで撮った写真をよく使った。女子アナやCA(スッチー)希望でなければどこでも良いと思う。女子は容姿をみて決める人事オヤジもあるとは聞くが、そんな会社ばかりではない。ヘアセット、メークもしたので写真代は計2万円ほどか! 1社で2枚写真を求めるところもあり意外にお金がかかった。
インターンシップの際に夏のスーツを買ったが、2着持っていないとダメかなということでもう1着、安めのものを買う。カジュアル靴やスニーカーなどしかないので、パンプスも初めて2足買う。バッグも2つ。安いせいか1つは重かった。コートも1着、さらにストッキングなど女子は服系に何かとお金がかかる。
スーツだけならまだしも、やがて面接が始まると、1日に2社(ということが何度もあった)でスーツと私服と指定が分かれるようなこともあった。 荷物になるし、着替える時間も計算しなければならず、私が届けてやったこともあった。それにしても、私服というのは何を着ればいいのか? 女子だとかなり考えてしまうことになる。あまりファッションに興味のない子なので、私も一緒になって真剣に考えた。
2007年12月10日号掲載
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