霜月
11月になると彼女は
卵をひとつ産んだ
ありふれていて
おおらかな光のため
金の稲穂が揺れるなか
野いちごを摘んで
あまたの歌をうたう
あの少女のため
新しい歴史より
地団駄おどる少年の
まっさらな 今日のため
2009年11月23日号掲載
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