我々はここに『麻雀詩集』なる詩の連作を開始する。
ここでは、麻雀というきわめて思弁的ゲームを題材とすることで詩の可能性を試すことを目指している。まだ誰も試みたことのない、きわめて馬鹿馬鹿しい試みである。
また、併せて麻雀それ自体への入門の書ともなるならばという、麻雀愛好家としての希望もある。これを読んだあなたが雀荘に駆けつけたくなる衝動を持ってくれるならもちろんそれは望外の喜びである。
なお、詩の中で全てのルールを解説することはとても不可能であるので、各詩編に註をつけることを許してほしい。
麻雀は東西南北4人のプレーヤーによって競われる。それぞれが順番に親荘となり、親は2周して終わるのが最もよくおこなわれているルールであり、東南戦と呼ばれる。最初のプレーヤーが親を務めるゲームを東場第一局(略して東一局)と呼ぶ。次の親の番は東二局、以下、東三局、東四局と進み、南場に入る。南場も南一局から南四局まであり、通常はここでゲームは終了する。しかしこの場(麻雀詩集)では、あえて西場、北場も設け、北場第四局まで連載を続けることとする。このように、その場で標準的なルールに特有のルールを加味することをローカルルールと言い、たいていはどこの地方でも何らかのローカルルールを持っているので、このような改変は許容されるものと考える。
親は上がれば親を続けることができ、それを連荘と言うが、ここでは連荘はない。
従ってこの連作は東場第一局から始まり、北場第四局で終わる。つまり16回限定の連作としてスタートする。
作品は塚本敏雄と柴原利継によって交互に書かれる。
ゲーム開始の賽が振られるのは来週のこの場所で。果たしてどのような勝負が繰り広げられることか。今回は予告のみでご容赦を。何卒、乞う、ご期待。
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