倦怠が肌を刺すような真昼の
冷めた沈黙の中で
逆行線に浮かびあがる大きな背中
視界で分裂しせめぎあうもの
絶対的な恐怖と 捕らわれる悦び
意識の水面に投げ出され
もつれ ゆらめき からみあう
砕かれた祈りの残骸
共犯でありたいと
穢らわしく成熟をやめない躯は
抗うように戯れつづけ
わたしは
あなたを何度も見失う
求めつづけた父性の碑に花を手向け
やがて訪れた淡い眠りに
今いちど
意識の埋葬を
試みる
2010年9月13日号掲載
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