2001年紙ジャケ大賞 選考経過 【1999年紙ジャケ大賞】 ユニバーサル・ミュージック 「ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ」 受賞記念比較検証へ!! 紙ジャケ探検隊では、今年も2001年紙ジャケ大賞を選出した。 対象は2001年1月〜12月に発売、またはシリーズを開始したものを基本にしている。原 則として前年から続いているシリーズは除外した。 ロック、ポップス、ジャズ、J-POPの全部門にまたがり、栄えある21世紀最初の紙ジャケ 大賞を勝ち取ったのは、ボブ・マーリーだ。 なお、選出にあたっては、普段、この探検隊ホームページへの皆様からメールや掲示 板での話題の盛り上がり等を勘案しつつも、探検隊メンバーの独断をふんだんに盛り 込みながら、都内某所における非公開の選考会議をおこなった。(W)
【ROCK/POPS部門】 部門賞:ユニバーサル・ミュージック「ユニバーサル・レゲエ・キャンペーン2001ボブ・マーリー デジタル・リマスター」 次点:東芝EMI「XTCオリジナル・ペーパー・スリーヴ・コレクション」 3位:ビクターエンタテインメント「イアン・デューリー オリジナル・ジャケット・コレクション」 4位:ビクターエンタテインメント「PYE、CUBEオリジナル・ジャケット・コレクションVol.2」 5位:ワーナーミュージック・ジャパン「ルネッサンス HDCDデジタル・リマスター 紙ジャケット・シリーズ」 W:今年はユニバーサルの紙ジャケが豪快に出ました。 S:なんてったって洋楽シェア1位だからねぇ。 A:それは紙ジャケじゃなくてアバのおかげでしょ。 W:確かに巨大洋楽コングロマリットと化した感はありますが、復刻はおおむねよかっ た。なかでも新規リマスターでの紙ジャケ化がノミネートの条件です。 Y:でもなんでフリーがノミネートされてないの? S:「ライブ!」待ちです。受賞したあげくに切手が貼ってなくて印刷だったらとりか えしがつかないもん。 A:レビューでもまだ未評価ですしね。 Y:ふーん、ま、日本人だからフリーにはこだわるよな。じゃ、その他では。 W:やっぱりマーリーでしょ。あの値段であの出来は、すごいよ。 S:でも再紙ジャケ化だからなぁ。ぼくは「電気の武者」がイチオシ。 W:わたしはあのボーナストラックがいやだった、あれは不要。 S:でもボランの発掘はもうあそこまで出さないと、ないのよ。 A:それはマニア向け。一般ファンは聴いててしんどい。 Y:あ、オイッ、そもそも「電気の武者」のヴィンテージ・ロック・シリーズ第1弾は スモール ・フェイセスも入ってるぞ。 S:ゲッ、新規リマスターじゃないのか。 W:おまえがレビュー分けるから混乱するんだ。 S:だって発売日ずれたんだもん。 Y:ま、ともかくそれじゃ対象外だ。1枚いいのが混ざってていいなら「ギズモ〜」なん て単体では大賞なみの出来なんだから。 A:ブラインド・フェイスもそうですね。 S:シクシク...。 W:東芝は高い高いといわれながらも、その分ちゃんとした紙ジャケを作ってます。 Y:まぁフロイドなんてそう簡単にリマスターできないからねぇ。 A:タイミングというのもあるんでしょうが、ロキシーは最悪のタイミングでしたね。 S:来日記念であの値段...。出来はよかったんですけどねぇ。 W:Yさん、全部買ってユニオンの箱までもらってましたよね、どうでした。 Y:箱にしまったきり、一度も聴いてない。輸入紙ジャケでさんざん聴いたし。 S:ああ、じゃあまだ未開封状態なんだ。 Y:バカもの、おまえが全部開封して比較に使ったんじゃないか! S:ああ、そうでした、忘れてました。でもXTCはよかったよね。 A:こだわり紙ジャケでしたね。あれなら高くても納得できるな。 Y:タルは旧リマスターが混ざってるのでとりあえず外そう。 S:でも新しいリマスター、評判悪いよね。前の方がいいという人も。 A:マスターがもうお肌の曲がり角にさしかかってんじゃないの? W:いやいや、まだまだ。RVGを見てみろ。 Y:紙ジャケの元祖、ビクターはどう?今年は低調? W:さすがにもうタマ不足かも。でもニューウェーヴものはよかったよね。 S:ダムドの匂いつきは日本初お目見えだし、イアン・デューリーもリキ入ってた。 A:別ジャケのあるヤツはああいうかたちで復刻するのもいい考えですよね。 Y:ジェネシスの「アバカブ」もあんな風だったらよかった。 でもなんといってもケストレルでしょ。これで高いオリジナル買わなくても。 W:でもやっぱりオリジナルの方がいいんじゃないの? S:そこまで惚れ込んだ人はね。紙ジャケで聴けてそれで満足な人も多いと思う。 S:再発も含むイエスは話題になりました。 Y:なんかすごいプレミアついてたもんな。 W:イエスが受賞しちゃうとまたか、って話しになっちゃうんで、これは他の部門で フォローしたい。 A:ワーナーは他にルネッサンスも来日記念で東芝と連動して出ました。 S:ああ、あれはよかった。ジャケが英盤仕様じゃなかったけど。 Y:「不思議の国〜」は珍しくオリジナルを上回ってたんでしょ S:オリジナルは厳密にいえば米盤、私のは英盤ですが、そんなにいい音じゃないから。 W:紙ジャケはオススメですね、あのアルバム。 Y:ロイ・ウッドが表紙さえ描かなきゃオレも好きなんだけどねぇ。 S:ああ、いっちゃった。でもワーナーさん、もっと紙ジャケ出して欲しいなぁ。 A:その他ではストレイ・キャッツやJAPANなんかも。 S:ジェリー・ゴフィンのアデルファイやVIVIDのシリーズもありました。 W:けっこういっぱい出たけど、やっぱりボブ・マーリーかなぁ。 Y:zippoが開いたのは感動的だったもんね。 S:フリーとかタルとかこの後もなんかアイランドばっかりだなぁ・・・。 A:次、JAZZいきましょう。
【JAZZ部門】 部門賞:ユニバーサル・ミュージック「サウダージ・ブラジレイラ・スペシャル〜ベスト・ボサノヴァ・リマスター」 次点:東芝EMI「SBJC(スーパー・ビット・ジャズ・クラシックス)シリーズ」 3位:ユニバーサル・ミュージック「ボサ・ノヴァ2001シリーズ」 4位:徳間ジャパンコミュニケーションズ「ストーリーヴィル10吋盤CDコレクション」 5位:ユニバーサル・ミュージック「キース・ジャレット ソロ・ピアノ・ゴールド・コレクション」 S:JAZZ、というより今年はJAZZ/LATIN部門ですね。 W:ボサノヴァ系がけっこう出ました。 Y:ボサものはジャケもいいし、サウダージは音もびっくりするくらいよかった。 A:ヴァーヴ系のボサノヴァ2001も音よかったんですけど、リマスターのクレジットが ありません。 W:JAZZの復刻でこれは重要な点。東芝のSBJCは音はいいのに、いつのリマスター か書いてないという。 S:ジャケも全面コーティングジャケで、別に「忠実」というコンセプトではなかった。 Y:忠実にやって豪華に見えるのはそうしてるんだよね、「アンダーカレント」とか。 A:中途半端ですねぇ。 Y:SMEのDSDよりはいいでしょ。こっちはポリシーが感じられない。 W:マイルスも色々錯綜したからねぇ。でも音はよかった。 S:よかったっていってもさらにSACDがあるのが悩ましい点ですね。 W:SACDが紙ジャケだったら全部買って、今ごろプレイヤーも買ってるかもな。 A:わたしはコンテンポラリーとかモア・インパルス・ベスト50第2弾とかもよかった んですけど。 Y:JAZZはもう2周目に突入してるからねぇ、選考基準も考えなおさないと。 S:もうタイトル的に厳しいか。 W:サキコロにしてもエヴァンスにしても次はMONOって手は残ってるけどね。 A:MONOマスターって残ってんですかね。 W:カスクーナじゃなきゃわからんでしょ。 S:年末に出たストーリーヴィルはどうだった。 Y:オリジナルはとても買えないから、いいよね。ジャケも魅力的だし。 W:でも紙ジャケとしては新鮮味がない。 A:新鮮といえばECMの紙ジャケですけど。 S:あれはよく実現したよね。 W:リマスターじゃなくてゴールドなだけだけど、入れちゃおう。ECMのポリシーに リマスターは存在しないかもしんないし。 全:ずる〜い。
【CLASSIC部門】 ※2001年、国内紙ジャケ製品の発売は確認できず。 W:なんか出たのかな? S:もうクラシックの復刻は2極分化してて、マニアは初期盤LP、その他は1000円台 の廉価盤になっちゃってます。 Y:紙ジャケみたいなニッチが入り込む隙間はないのか。 W:真面目な分野なだけにニッチを楽しむ"粋"とはあいいれないかも。 A:なんかこう、再発の変遷とかをちゃんと考証して紙ジャケで復刻してくるとうれし いんですけど。 S:クラシックのリイシューにそんな予算ないんじゃ....。 A:市井の好事家がやるしかないんですかね。 Y:そういう人はアナログ買うでしょ、SPとか。 W:うーん困った。でもデュ・プレとかカラスとかそれなりにアピールしそうだけどなぁ。 S:美人頼みじゃ続かないでしょ。続かないのは嫌うのよ、クラシックは。
【J-ROCK/J-POP部門】 部門賞:グットラヴィンプロダクション「村八分ライブ」 次点:バップ「ピンククラウド スペシャル・エディション」 3位:sky station「PASS RECORDS RE−ISSUE 2001」 A:メジャーものは出なかったけど、盛んといえば盛んになってきました。 S:いいよね、東京ロッカーズもあったし、ドンドンいって欲しい。 Y:最後に井上陽水が出たけど、前のリマスターだしなぁ。 W:ダブルジャケで両サイドあいてたら、われわれとしては対象外でしょ。 S:そうそう、その問題のためにフロイドの「狂気」何枚買ったか! Y:その話はやめろ、もうたくさんだぁ。 A:やはり期待と話題と再評価で、 Y:村八分だろうなぁ。 S:でも新しく聴く人のために、復刻向けの解説つけて欲しいなぁ。 Y:同感。おれですら忘れてるもん、なんだっけ、このアルバムって。
【海外/その他の部門】 部門賞:KOREA/M2Uレコーズ S:海外紙ジャケもけっこう出たけど、ほとんど日本のレベルに達していなかった。 Y:AKARMAはなんかどんどんジャケが厚くなってくんだけど・・・。 W:そんななか、韓国の紙ジャケはていねいでした。 S:愛情が感じられる。でもプログレって韓国の人、好きなのかな。 A:では今年はゴブリンなんかを復刻したM2Uさんに。 Y:SIWANのエスペラントもよかったけど、ゴブリンのポスターはしびれました。
【紙ジャケアンコールプレス賞】 イーストウエスト・ジャパン「YESオリジナル・ジャケット・コレクション」 W:やはり今年はこれでしょう。 S:特典応募した? Y:しないよ、だっておれたち当たった試しがないじゃん。こんなに何百枚も買ってさ。 S:そうそう、抽選はだめだよねぇ、もう応募する気もない。 A:ところで、1回目と2回目ってやっぱり違うんですか? S:1回目、ってことだけで価値が生じちゃうんです。後はいっしょ。 W:あっても微々たる差でしょう。
【足が早かったで賞】 ビデオアーツ・ミュージック「フランク・ザッパFZペーパースリーヴ・エディション」 W:ここでザッパに触れましょう。もうとにかく振り回されました。 S:ZARANKさんが検証やってくれてどんなに助かったか。 Y:FZの海におぼれてたもんな。 A:しかし、そんなに早かったんでしょうか。売り切れるの。 W:ザッパが、急遽再プレスされたってことが重要なの、その価値は高いよ。 S:そうそう、再プレスされたタイトルはまだあるけど、それ以外はもう見当たらない タイトルもある。 Y:紙ジャケ限定の効果を感じさせてくれるリイシューでした。 W:紙ジャケで、限定じゃないのが一番なんだけどね。
【紙ジャケ特典大賞】 ディスク・ユニオン 復刻ビクター全面カバー帯 S:これも特典つきは足が早かった。 Y:店頭で、なんだこりゃ?ってわけわかんなくなった人も多いかも。 W:それじゃなくて、それがついてないジェスロ・タルの紙ジャケが欲しいんですけどって。 A:ユニオン復刻帯は今年も色々楽しませてくれました。 Y:ユニオン特典欲しさに、フロイドもけっこう買っちゃったなぁ。 W:あと、変形帯っていうと? S:ビートルズのハンカケ帯がついたら世界中パニックでしょう。 あとクラッシュのジャケ帯。
【選考を終えて】 W:今年は紙ジャケの認知度もあがって、その分批判も目立った。 A:ほとんどは何をいまさらって感じでしたよね。 S:いや、まぁそれが認知度があがったってことだから。 Y:でも復刻のレベルもすごい向上してるよね。 W:はずれがなくなった。 S:でも一番意味が大きいのはユニバーサルが帯にリマスター年度を入れるようになったこと。 Y:画期的だ。これで大型店の店頭で頭を抱えなくてすむ。 A:そういう人は多いんですか? S:多いか少ないかより、商品として表示してあることが重要なんだと思う。 W:音楽以外の他の業界だったら商品へのそうした表示は当然だよな。 A:掲示板もけっこう荒れましたよね W:これはもう宿命みたいなもんで、それだけ見に来てくれる人が増えたってことだよな。 Y:ちょうど全員忙しくて、なかなかケアできなかった。 W:あんたなんかキレてなかった? S:すいません。自粛します。 Y:でも今は落ち着いてるし、いいでしょ、あんなもんで。 掲示板は探検隊のHPではサブ的なもんで、それほど力はいれない、っていう方向性も確 認できた。 S:そのへん作ってるこちら側と見ていただいてる方々の意識がずれていってるかもね。 W:うーん、まあそのうちなんとかしよう。 Y:比較検証が1本1本が増大してて即時性がなくなっちゃったね。 W:みんなが知りたいのはオリジナルと比べてどうか、ってことより前のCDと比べて どうかってことだからね。 S:こりゃ、反省会ッスか?この会は? Y:でも、それもオリジナルをリファレンスにしないとなんともいえないのよね。 S:う〜んジレンマだ...。 W:パシフィック・ジャズとかも用意してたんだけど結局できなかった。 S:はぁ、今年はザッパとフロイドで終わったよな..フロイドはまだ終わってないけど。 A:フロイドにザッパが飛び入りして「星空のドライヴ」を弾きまくったライブがあるそう です。 Y:そりゃ今年のオレ達のシメにふさわしいライブだな。 S:え〜、話題を変えて来年の抱負など。紙ジャケはどうなるんでしょね。 W:やっぱり、ワーナー、SMEがまだ本腰入れてないからねぇ。 特にワーナーはマイルスとジャコをあわせてジョニ・ミッチェルといっしょに出してくれ。 Y:アトランティック、アトコ、エレクトラ、アサイラムと、まだまだ豪快にある。 S:ワーナーが参入したらアメリカン紙ジャケが一気に盛り上がるかも。 A:なんといってもアリス・クーパーでしょ。パンティーつき。 W:そりゃ楽しみだ、ワクワクしちゃうな。 Y:おれはケビン・エアーズが来日するし、ぜひケビンの紙ジャケをだな。 S:あ、カンタベリーおやじ登場! Y:だってしばらくケビン買ってないんだもん。来日までなんか紙ジャケでも買って気分盛り上げな いと持たないよ。 W:あんたオリジナルいっぱい持ってるじゃない。 Y:オリジナルは聞き飽きた!新鮮なデジリマが聴きたいんだよ〜!ケビ〜ン! A:酔っぱらいケビンおやじになっちゃいましたね。 W:もうダメだ。 Y:ケビ〜ン〜!! S:じゃ、そゆことで。 W:来年もみなさまよろしくお願いいたします。 Y:ケビ〜ン〜...... (了)
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