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隊員W:今回の探検隊特集は念願の寺垣式でデジタルK2を斬るということで、新宿にある寺垣式の試聴ルーム にやってきました。DANA-JAPANのKさんよろしくお願いします。 DANAK:ようこそいらっしゃいました。あいにく寺垣先生は今日はいらっしゃらないのですが、私の方でご説明 いたします。 本日試聴用にご用意したシステムは以下のものです。 アナログ・プレーヤー:(寺垣式)セイコー・エプソン Σ5000・
スピーカー :(寺垣式)波動理論スピーカー NT-3
以下のものはこのシステム用に使って欲しいとのことで持ち込まれたものです。 カートリッジ :イミュタブル音楽研究所(吉岡誠二氏制作) 寺垣用オリジナル持ち込み コントロールアンプ :加藤電気 MODEL-65 寺垣用オリジナル持ち込み(写真下から2段目) パワーアンプ :加藤電気 寺垣用オリジナル持ち込み 直熱管アンプ(写真最下段) (直熱管はウエスタン・エレクトリック274B) その他は市販のものです。 CDプレイヤー :フィリップスLHH200R(写真最上段) ウーファー :オンキョーSL-10+左右各15kgの重り
ウーファーに関しては寺垣式のものもあるのですが、この部屋では鳴りすぎるため、 今日はオンキョーのものをご使用いただきます。 従って低音部の再生はちょっと問題があり、甘くなっています。 また十分に低音再生ができない場合もありますがご了承ください。 この点に関しては近日中に解決できると思います。 隊員Y:前置きはいいからとりあえず聴いてみよう。 隊員S:うーん、どれがいいかなぁ(ゴソゴソ漁り始める)、あ、これちょっと聴いていい? <ライブ・アット・モントルー/ビル・エヴァンス(Verve)> 隊員W:おお、なんかこれって、こんな音?だった?。 隊員S:やたら見通しがいいなぁ、一つ一つの音がくっきりと分離してる。しかも鮮明。 隊員Y:こんなでかい音で聴いてるのにみんなの会話がよく聞こえる。変な音圧もないし、耳に痛くない。 隊員W:これでジャズ喫茶やったら革命的だね。会話ができて、うるさくなくて、良く聞こえる。 DANAK:みなさん聴き疲れしないっていいますね。この波動スピーカーの効果なんですが、音は空気を振動させて 伝わるだけでなくて、波動で伝わるという理論に基づいています。だからスピーカーもかなり薄いんですよ。 変な癖がなく、ソースの音がそのまま再生されますから、オーディオというより変換器ですね。 隊員W:これ、レコードでしょ。 隊員Y:えっ、これレコードだったの?そうは思えないよ。高域までグーンとのびてて凄い鮮度が高いし、分離もいい。 重量盤だから凄いの? DANAK:いや、ここまでプレイヤーの変換能力が高いと逆に重量盤はよくないんです。 隊員S:重量盤がよくない? DANAK:ええ、まぁある程度のプレイヤーまでは重い方がいいですよ。余分な振動が押さえられますからね。 でもこの寺垣式はそもそも盤をターンテーブルにプレスして、グッと押さえつけちゃうんですよ。 隊員W:ほんとだLPがすり鉢上にへこんでる。 DANAK:ですから、盤が薄くても余分な振動はでません。そうすると、重量盤は厚い分、盤自体に余分な振動が発生して しまうんです。 隊員S:厚みの部分にへんな振動が発生するわけ? DANAK:そう、だから薄い方が音がいいと、みなさんおっしゃいます。ま、重量盤でも十分音はいいはずです。 今までのプレーヤーはどんなにがんばっても盤自体の情報を75%くらいしか引き出せなかったんですが、この寺垣 式は95%以上の情報を引き出せるといわれていますから。 隊員Y:確かに凄い音だな。ていうか自然な感じだ。 隊員S:カートリッジ自体も縦揺れしないのね。 DANAK:そうです。アーム部分がかなり重くて、しかも針とカートリッジの部分はてこの原理で一定の圧力で固定され、動 きません。だからほら、(ゴンゴンとLPをたたく)再生中に盤を叩いても針飛びもしませんし、音に影響ありま せん。 隊員S:ホントだ!(ゴンゴンゴンと回ってるLPを叩く)....何ともないや。 でもなんか、ディジョネット、このころってけっこう荒いのね。 DANAK:変換器ですからごまかしは聴きません。ミュージシャンとエンジニア泣かせともいわれてまして、そのまま出ます から。良きにしろ悪しきにしろ。 この間レコード会社のプロデューサーの方がいらして、今この装置に耐えられるミュージシャンはいないと....。 隊員W:ま、次いこう!次はやっぱこれでしょ。 <アート・ペッパー・ミーツ・ザ・リズム・セクション(Contemporary)重量盤LP> 隊員Y:オーディオ・チェックといえばこれですか。 隊員S:この見晴らしのよさはなんだ? 隊員W:アート・ペッパー、....うますぎる。 隊員Y:ペッパーっておれ、今までそんなにみんながいうほどウマイと思わなかったんだけど、こんなにウマかったのか。 隊員S:すごいアルトの音だね、まろやかで芯があって、はりがある。 DANAK:そのまま出ますから。 <....その後マイルスのクッキン(重量盤LP)を聴いて一同悶絶する。曲はモチロン「マイ・ファニー〜」> 隊員W:ぜえぜえぜえ。たまんねぇなこりゃ。 隊員S:マイルスのミュート、気合い入ってるな、吹いた後にウグファッっていってる。 隊員W:美学ですねぇ。 <ブルートレーン/コルトレーン(Bluenote)重量盤LP> 隊員S:さわやか! 隊員Y:こりゃ、ブルートレーンじゃない!ていうか、こうだったの? 隊員W:うちのJBLとかで聴くともっと管が混然一体となってズォーって感じで迫って来るんだけど。 隊員S:ソロとバックの管は完全に分離してて、しかも凄いきれいにハモってる。濁りがないよ。 隊員Y:衝撃的!コルトレーンのサックスってこんな音だったのか? DANAK:一応マスターの音がそのまま出るといわれています。というか、カッティング時に聴いた音そのままのハズです。 隊員S:RVGってこんなにハイファイ的にきちんと録音してたんだ。あの無理矢理な中低域のクセっていう定説はどこへ? 隊員W:いや、でも迫力はあるんだ。すごくカッコイイ。 隊員Y:なんか見通しがよすぎて、録音したテープの音っていうより、録音現場で生の音を聴いてるみたい。 マイクすら通ってない感じがする。 隊員W:RVG、すごいな。でもこんなエコーかけてたんだ。 隊員S:オンマイクでとってエコーかけてるのも凄くよくわかるし、しかも音が生々しい。なんなんだこりゃ。 隊員Y:おれが今までズーッと聴いてきたブルートレーンじゃない!今まで聴いてたのは何だったんだ! こりゃすべての愛聴盤をチェックしなくちゃ......。 隊員W:ま、まぁとにかく本題の「デジタルK2を斬れ!」に入ろう。 隊員S:そ、そうだな。「ワルツ・フォー・デビイ」だっけ。でもあれ、もともとの録音がイマイチだから。 DANAK:悪い録音は悪くでます。JBLやタンノイなどはそのへんうまくバランスをとって、迫力を出したり、まとめたり しているようですが、このスピーカーはそのまま出ます。 <ワルツ・フォー・デビイ/ビル・エヴァンス(Riverside)>
隊員S:まずはCDで前回の20bitK2紙ジャケから行こう。 隊員Y:うーん。そうね。やはり録音はいまいちかな。 隊員W:ライブ録音だからしょうがないよね。 隊員Y:ピアノのひずみっぽさは気にならない程度だけど、やはり多少はあるのね。 DANAK:そのまま出ますから。 隊員W:このフィリップスのCDプレイヤーも一応定評ある機器だし、まぁこんなもんか。 隊員S:このスピーカーだとやはりさわやかに鳴るね。聴き疲れない。 DANAK:次はLPですね、米盤の重量盤ではないもの、OJC盤です。 !!!!!!! 隊員S:なにぃいい!!音の鮮度が違うぞ!ヴェールがとれたみたいだ! 隊員W:粒立ちも分離も圧倒的にいい。録音が悪いなんていったのは誰だ! 隊員Y:ちょっちょっとCDに切り替えてみて.... なんか鮮度がガクッと落ちたぞ。ヴェールかぶったみたいだよ。 隊員S:CDの方が鮮度が悪いなんてこりゃ普通と逆だよ。 隊員W:しかもLPはピアノのひずみっぽさがほとんどない!何故だ? DANAK:LPはこのプレイヤーだと90%まで情報を引き出せますが、CDは原理的に民生機では無理だと。 寺垣先生もSONYのCD技術者に相談を受けたようなんですが、そういっていたようです。 隊員Y:それにしてもこりゃ違いすぎる。 とにかくXrcdに行ってみよう。 隊員S:...ああ、Xrcdはやはり定位感とかまとまってるね。鮮度もLPなみだ。 DANAK:すいません、今のLPでした。 隊員S:!! DANAK:えー、Xrcdはこれです。 隊員W:ヴェールかぶちゃったねぇ。でも確かにまとまってて、さっきのCDよりは聴きやすいよね。 DANAK:ビクターの人はけっこうXrcdに自身持ってるようでしたけど。 隊員Y:そりゃ、普通のCDに比べりゃ全然いいもの。 ていうか、LPよりいいんだよ、通常は。だけどこのプレイヤーは。 隊員S:Xrcdはピアノの歪み感もうまく隠されてて聴きやすいけど、でもLPとは次元が全然違う。 隊員W:こりゃマスターから違うみたいだぞ。 隊員S:LPは米盤だからオリジナル・マスターで、日本のCDはコピーマスターから起こしてるかも しれない。まぁXrcdはオリジナルマスターだと思うけど....。 隊員Y:じゃあ日本製のものはマスターから歪んでるのか? 隊員S:まさか、ねぇ。でもこれを聴くと... 隊員W:もとから違うとしか思えないよね。こりゃ輸入盤のCDも聴き比べりゃよかった。 隊員S:とにかく今回のデジタルK2盤を聴いてみましょう..... ............ 隊員Y:こりゃひでえ、聴けないよこりゃ。ピアノがひずみまくってる。 隊員S:音の鮮度はLPに近づいてるけどね。この辺はデジタルK2の効果だねきっと。 隊員W:でもきけないよ....ウワっとひどいなこりゃ。 隊員Y:イコライザーでどこをあげてるかポイントがハッキリわかるね。 DANAK:そのまま出ますから 隊員S:うーん確かにイコライザーによるカーブが見えるみたい。しかもクッキリ。 DANAK:エンジニア泣かせともいわれてるんですよ。ですから下手にいじるとすぐ音で現れます。 このスピーカーで自分のやったものを聴いてエンジニアやめちゃった人がいるそうですから。 隊員Y:普通のスピーカーならこれでいいんだよ、きっと。 でも確かにこのスピーカーは素人耳でもはっきりわかるよ、いじってるのが....。 DANAK:ちなみにこちらを聴いてみますか? <スターウォーズのサントラ、J.ウィリアムス/ロンドン交響楽団 LP> 隊員S:確かに編集でつなげたところがハッキリわかるね。さっきのとこでしょ? DANAK:そうです。 隊員S:でもこりゃ厳しいなぁ。オケは編集なしではとれないしなぁ。 隊員W:よっぽどわからないようにつなげないとね。 隊員S:現実には不可能じゃない? <フルトヴェングラー/バイロイト祝祭O. ベートーベン第九 重量盤LP> 隊員S:こりゃ確かに編集はないだろうけど、もとの録音は(音が鳴る).....なんでこんなにいいの? うわー、弦のピチカートまでくっきり浮かび上がってる。 この演奏はいろんなので何回も聴いたけどこんなの初めて....。 <全員しばし聴き入ってしまう....> 隊員W:ふひゃー、堪能しました。 隊員S:いやあ、ありがたや。でもオケが失敗してるところもハッキリわかるね。 DANAK:そのまま出ますから。変換器ですから。 隊員W:ところで「ワルツ・フォー〜」はどうなったの。 隊員Y:いうまでもないだろ。 隊員S:こんな結末は思ってもみませんでした。 隊員Y:うそつけ、これをみこして俺達をつれてきたんだろ。 隊員S:でも、ハッキリわかったでしょ。 隊員W:確かに。困ったなこりゃ。LP捨てられないな。 隊員Y:もう3時間も大音量で聴き続けたのに、全然疲れてないよ。 隊員W:ほんとだ、ていうか凄く爽快な気分。 DANAK:余分な定在派が出ていないのが特長です。変な音圧もないですし。 隊員S:こんだけ聴いて耳がフレッシュなままっていうのも珍しいね。 隊員Y:次は是非ROCKも聴いてみたいね、なんかきっと今まで聴いていた音と全然ちがうん だろうなぁ。 隊員S:クリムゾンの「Earth Bound」のLPでももってこよう。 DANAK:そういえば、何故かちゃんと製造したCDより、このプレイヤーで再生したLPを一度 録音してCDにした方がいい音になったってあるメーカーの人がいってました。 原因をかなり研究したようですけど、結局わからずじまいで。 隊員W:じゃあ、「Earth Bound」をCDRにしてみよう! DANAK:次にいらっしゃるまで低音部分をちゃんと改善しておきますから。 隊員Y:よし、次はROCKだ! DANAK:ところで探検隊のみなさんに、ここのHPを作っていただきたいのですが.....。 探検隊一同:ええッ! ということで試聴会は思わぬ展開を見せて終了。探検隊、今回お世話になったDANA-JAPANさんの HPをおそれ多くも作らしていただくハメに.....。 またこの寺垣式の試聴は申し込めば「どなたでも来ていただいてかまわない」そうで、 もし聴きにいきたい人はご相談ください。 とりあえずは→探検隊まで ひやかしはだめよ。 (ひとまず・了)
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