最後の散策に出る。カーナビーストリートまで歩き、パブでビールを飲む。外のテーブルで飲んでいると涼しい。ああ、明日は帰国だ。しかしまあ、ひとりでロンドンをほっつき歩くなんて経験はこれから先あまりないだろうなあ。

 

▲ボンドストリート
▲ロンドン・チャイナタウン
▲ストリートミュージシャン
▲倫敦華僑
▲シェイクスピアの頭


▲ロンドンの夜
 

 

 キングズクロスの駅に着いたのは3時。ピカデリーラインでピカデリーサーカスに帰る。一度部屋に入ってから、歩いてフォートナム&メイソンへ。王室御用達の紅茶で有名な店。地階と2、3階もあるのだが、1階の食料品売場で土産物を買う。

 バーバリーを探してオールドボンドストリートからニューボンドストリートへと歩く。フォートナムからはすぐの距離。有名ブランドの店が軒を並べている。LAで言えばロディオドライブって感じかな。バーバリーを見つけるが、どっから見ても超高級店。こっちは半ズボンのいでたち。思わず「シキイ、タケエ!」とひとりで呟いてしまう。母親にバーバリーのハンカチでもと思ったのだが。バーバリーならウチの母親でもロンドン土産だと分かるだろうからという発想。まあ、ここら辺は完全に田舎者の世界ですな。ええい、ままよと店内に。「ハンカチありますか?」完全に田舎者まる出し。バーバリーのスーツをバシッと決めた店員さんがハンカチのコーナーを教えてくれたが、内心は馬鹿にしてんだろうなあと思いつつ購入。

 6時半の閉店まぎわだった。ロンドンではたいていの店が6時半から7時で閉まる。その後は自分たちが遊びに行こうという発想なのだ。しかもサマータイムだし、夜はまだまだこれからって感じだし。

 さて土産物も買い終わった。あとは夕食だな。今夜は誰かと会う予定もないし、チャイナタウンでも行こうかなと思う。これもまた歩いてすぐの距離。しかし何ていい場所にホテルをとったことか。

 ソーホーのチャイナタウンは有名である。ロンドンで一番メシがうまいのはチャイナタウンだと言う人も多い。ガイドブックに載っていたウォン・ケイという店に入る。店内には、中国系も多いがイギリス人も結構食べている。メニューを見てもいまひとつ分からないので適当に注文。甘く煮付けたポークがライスの上にのったものとラーメン系のスープを頼むが、味付けは日本とはだいぶ違うなあ。最近「ワガママ」という名の日系のラーメンショップがロンドンに出来て、イギリス人には評判がいいそうだが、日本人には受けが悪いのだという話をミホちゃんから聞いたことを思い出す。

 通りを歩くと中国人のストリートミュージシャン2人組が演奏している。同じようなものを銀座の歩行者天国で見たことがある。その場でCDを売っている。中国系の楽器(確か二胡と揚琴というのだと思う)で様々な曲を巧みに演奏していた。中国風の曲もあれば洋楽のスタンダードもあるという具合に本当にバラエティに富んでいる。多くの人が囲んで聴いてはいたが、CDを買う人は少なかった。

 そう言えば17年前に来た時にもチャイナタウンに連れて来られたなあ。ガイドが連れてきたのだ。チャイナタウンは小さな一郭で四方に門がある。歩いているうちに記憶がよみがえる。確かあの時はこっちの門から入ってこの辺りで食べたのだったと思うなあ。もちろんどの店かまでは分からないし、だいたい同じ店が同じ場所でやっているとは限らない。何しろ昔の話だ。しかしきっとこの辺りでバスを降ろされてこの辺りを歩いたのだというくらいには記憶がよみがえってきて自分でちょっと感動してしまった。

 門のひとつには倫敦華僑と書いてある。歴史は長いのだろうな。

 またホテルに一度戻り、最後の散策に出る。何しろホテルの周辺は繁華街だから便利この上ない。カーナビーストリートまで歩き、また Shakespreare's Head というパブでビールを飲む。外のテーブルで飲んでいると涼しい。

 ああ、明日は帰国だ。

 しかしまあ、ひとりでロンドンをほっつき歩くなんて経験はこれから先あまりないだろうなあ。とちょっと感慨にふける。

 ひとりでビールを飲んでいると眠くなってきたのでホテルに戻る。さて明日は帰国なのだが、今朝起きたら9時だったという事実が重くのしかかる。明日の朝、寝過ごして飛行機の時間に間に合わなかったら大変だからだ。シャワーを浴びようとしてルームサービスに電話するがなかなか来ない。ベッドに寝ころんで待っていたら、いつのまにかそのまま眠り込んでしまった

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