芽生え
まえに転んだとしても
それさえ いとおしい
黄の花が土の上で笑っていた
水音は音符のよう
偽りにくい苦しみと
まっさらな今日
どちらをえらんでゆくの
陽光の矢がとどく
小さなドアを開ければ
淡いふんわりとした雲が
水色の空をながれる
君の事をひそかに
永くみつめていた人が
発芽の時をくれた
もったいない
もったいない
そう、かんがえていたら
今がきみの誕生日
種をまいて つくりだす
よみがえるこころと
小さな蕾にねがう
2010年3月8日号掲載
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