手のひらに降る
昨日より高く
今日より低く
舞う、散る ひしひしと花
魚に接吻する人をみていた
鳥と話す人も
彼らの高揚と路の明るさが
ねむる水面に輪を描き
春の秘密を伝えている
雲よ、いらっしゃい もの言わず
さしだすような 輪の下で
深き永久を 手のひらですくう
2010年4月6日号掲載
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