丸 窓
それから私たちは笑うだろう
新緑の色彩に酔いしれて
自分の中心にとどまりながら
遠くをみてしまう視線のままに
あたらしい世界とくらべながら
小さきおもいへ 夢を紡ぐ
どこかで読んだ旅人のように
どこかにある知らない星の上で
多くを知らなくてよかった
だって忘れてしまったのだから
針のない時計のように
こだわりのないあの道
あけはなした窓から
ひたすら送られてくる
風のふりこ
呼吸のまるみ
2010年4月12日号掲載
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