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 Dj 80 Toshi というDJ名にある80とはもちろん1980年という意味である。第1回にも書いたとおりぼくは1979年がロックの岐路だったと考えているので本当なら79とするべきかも知れないのだが、それではあまりにも言いにくいので80としている。

 この回から、Eclectic DJ Work という言い方をし始めた。eclectic とはあまり一般には馴染みのない英語だが、「折衷的」とか「取捨選択された」とか「多方面にわたる」というような意味だ。ぼくの友人のアメリカ人、クリス・ヘイルがそう言ったのでそのまま使っている。

 ここでクリス・ヘイルについて紹介しておこう。彼はアメリカはロサンゼルス出身。テクノDJ、またはテクノミュージシャン。CDも何枚か出している。日本のアマゾンでは買えないが、アメリカのアマゾンで Chris Hale と検索すると1枚CDが出てくる。ホントはもっとあるんだけど今のところアマゾンで買えるのはそれだけ。以前はMP3.com で全部買えたンだけど、いま検索してみたら1枚だけになっていた。またiTune Music Store でも1枚買える。

 ホームページがあるのでもし良かったらそちらも見て欲しい。英語版と日本語版が用意されている。いつだったか、突然自分のプロフィールを持ってきて日本語に訳して欲しいというから適当に訳したら、彼はその訳を自分のHPにそのまま使った。そんなふうに使うなんて言ってなかったじゃないか、だったらもっとちゃんと訳したのに、と抗議したのだが、いまでもそのまま使っている。とても恥ずかしいです。

 さて、次のリストは2005年11月15日にやったもの。

01
La Valse Des Ames Perdues / Isabelle Antena

イザベル・アンテナはベルギーのレーベル Les Disques des Crepuscule の看板だった。クレプスキュールをネオアカのレーベルと世界に認知させたミュージシャンだが。

あまりにもオシャレすぎてぼくはあまり好きではない。だがCDを昔1枚買った。使える曲がないかと聞き直していたら、この曲は適度な重さがあって良いと思った。

02
Queremos Paz / Gotan Project
前述。

03
Persian Love / Holger Czukay
Holger Czukay のこの曲は、Moviesというアルバムに入っていて、このアルバムは日本でも結構売れたと思う。確かCMにも使われた。Holger Czukay という人は短波ラジオマニアで、短波ラジオを自分の楽器と呼ぶくらい。この曲でも中近東の短波ラジオで録音した曲を使っている。つまりサンプリングのはしりであったわけ。当時はサンプリングマシンがなかったので全部手作業でおこなっている。美しい曲だ。

04
Casablanca Moon / Slapp Happy
ボーカルのダグマー・クラウゼと、アンソニー・ムーア、ピーター・ブレグバッドのトリオ。この曲は彼らの代表作。セカンドアルバム Casablanc Moon から。ファーストアルバム Sort of が最近紙ジャケで再発された。なお、セカンドアルバムとサードの Desperate Straightが1枚のCDとなって出ている。廉価版でお得。その後、スラップハッピーは、フリーミュージックのバンド Henry Cow と一体化し、Art Bears となる。

05
HAT DANCE / Mute Beat
こだま和文のバンド Mute Beat。

06
Through Me - Fast / Double Maffled Dolphin
前述。前回と同じアルバムから。
07
Deep Time / Cabaret Voltaire
前回と同じく、Plasticity から。

08
Un Voile Blanc / Klimperei
前回と同じアルバムから。

09
No Testament / Wim Mertens
ウィム・メルテンは現代音楽の作家だが、とてもポップなので気持ちが良い。

10
Staralfur / Sigur Ros
シガー・ロスのセカンドアルバムから。彼らはアイスランド語を使うので、アルバム名を表記できない(!)

11
Mantra / Asana 1 : Soul Practice
これは Meta Records というレーベルのオムニバスアルバムから。Bill Laswell が主要な役割を果たしているらしい。詳しいことは分からないのだが。たまたま見つめたメタカタログというアルバムから。ビル・ラズウェルはかつて Material というバンドをやっていたニューヨークのミュージシャン。ジャー・ウォーブルも参加している。マントラっぽい。エスニック。

12
Help Me Somebody / Brian Eno & David Bryne
エスニックつながりで次はこれを。

イーノとバーンのコラボアルバム My Life of The Bush of Ghosts から。
牧師さんの説教をボーカルとしてサンプリングしている。Holger Czukay と並んで、イーノは偉大な先覚者だと思う。

13
Tascel 7 / Arovane
ロンドンのラフトレードで買ってきた Rough Trade Shop : Electronics というラフトレードのオムニバスから。

14
Souvenior De China / Jean Michel Jarre
フランスのコンピュータ音楽の大家、ジャン・ミッシェル・ジャール。彼の中国でのライブ、Live in Chinaから。1970年代から彼は活躍していた。1982年頃ぼくは彼のアルバムを友人から聴かせてもらったことがあるが、当時古くさいなと感じてあまり聴かなかった。つまり1982年頃でさえすでに先端ではなかったのである。しかしその後このアルバムを別の友人からテープにダビングしたものをもらい聴いたところその素晴らしさに気づいた。いまいろいろと聞き直してみるとやはりこのライブは出色。スタジオ録音にはない、ライブゆえの躍動感がある。この曲はアルバム最後の曲。中国語で「再見」
という子供の声が入っている。DJの最後の曲にぴったりではないか。

レコードは2枚組。このアルバムもCD化されているが、レコードと同じく2枚組になっているものと、1枚に収められているものがある。1枚に入りきるんならその方が聴くのに便利だと思うけど。

2006年1月16日号掲載

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