p r o f i l e

 

 最近DJを始めましたというと、これですか?とレコードを手で回すような仕草をされることが多い。ああ、スクラッチね。それはヒップポップ系のDJが良くやるテクニックです。ぼくはやりません。ただ曲をつないでかけているだけです。だから選曲がとても大事になる。後は曲と曲のつなぎ。そのためには当然曲の順番には気を使わなければならない。

 エレクトロニクス系だと、同じようなメロディやリズムの反復が多いので、曲の途中で低音部を切ってまた入れたり、というような遊びができるし、CDをかけられるCDJという機械ではWahという機能が付いていて、途中でピッチを変えることができる。しかしぼくはいまのところそういうことは全くしていない。とりあえず曲をそのままかけてつないでいく、という作業に徹している。これは、ぼくが強い愛着を持つ曲たちをとりあえずそのままオーディエンスに届けたいという思いからだ。曲をいじったりするのはその次の段階だと思う。

 まあ、オーディエンスと言っても、別にお客さんは音楽聞きに来ているわけではないんだけど。あくまでもカフェだからね。

 さて、次のリストは2005年11月22日のもの。

01
Telephasic Workshop / Boards of Canada
実を言うと、本当はアンナ・ドミノをかけようと思っていた。だが、さてかけようと思ってCDの箱を開けたら何とCDがない!妻の車で昨日聞いていたんだっけ。しまったああ!と思ったが、もう遅い。ちょっとパニックしたが、Board of Canada を2曲かけることで急場をしのいだ。だからアンナ・ドミノについては次回に送る。

ここでは、Boards of Canada。3年前ロンドンのポートベロマーケットにあるラフトレードに行った時、店のオヤジに推薦してもらったのはこのバンド。でも買ってこなかった。後で悔やんだ。日本に帰ってきてから、バンド名もあいまいな記憶のままに、いろいろ探したが見つからなかった。誰に聞いても知らなかった。3年前は日本では無名だったのだ。ところがいまでは日本盤も出ているし、有名になった。

エレクトロニクス。この曲と6番目にかけた曲はともに、Music has theright to children というアルバムから。ラフトレードのオヤジが見せてくれたのもこのアルバムだった。他にもアルバムがあるが、これはいいアルバムです。

02
After Rain / Mute Beat

03
Logic Minouge / Beroshima
アルバム Catastrophe Ballet から。日本盤のみのボーナストラックらしいが、テンポが良くとてもかっこいい。

04
P.A.Dub / Vivien Goldman
これは先日ディスクユニオンにレコードを買いに行った時に偶然見つけたThe Post Punk Singles vol.1 というCDから。5つのバンドのオムニバス。

収録されているバンドはSteel Leg Vs. Electric Dread、Les Vampyrettes、Glaxo Babies、Vivien Goldman、This Heat。最初のバンドと、この VivienGoldman に関しては全く知識がない。グラクソ・ベイビーズはポップグループ周辺ということで最近CDが再発されているが、ぼくはポップグループと同列には論じられないと思う。でもここに収録されている This Is YourLife という曲はチープなパンクとして悪くはないけど。This Heatのこのシングルが出ていたのは知っている。確かテープに録音して持っていたはず。

Les Vampyrettesは、 Holger Czukayのプロジェクト。たぶん Jah Wobbleも参加している。当時、ロックマガジンのレコードレビューが激賞していた。だからずっと聴きたいと思っていた。でもかなり抽象的で聞きにくい。このCDを聴いてみて一番嬉しかったのは、Vivien Goldmanのこの曲。粗削りなダブ。

[へんしう長・注=たまたま知っているので補足しておこう。この曲は「Dirty Washing」というマキシシングル(写真)のB面曲で、A面の「Launderette」のダブバージョンである。これはKeith Levene、John Lydon、Adrian Sharwood のほか、Steve Beresford や Robert Wyattまでクレジットされた信じがたいシングルだった。Vivien Goldmanの名を知ったのはFlying Lizardsの1stアルバム(今でも好きだと告白するのが怖い)の最後を飾る「The Window」という奇妙に美しいバラード(詞も曲もVivien)を歌っていたからで、それに恍惚とする毎日であった(笑)。このマキシシングルの歌と同じ、妙にクールな、それでいて舌ったらずな声でスキャットを聞かせてくれた。彼女はNew Age Steppers 周辺のヒトでもあり、NME誌(ああ!)のライターだったはずだ。その後どうしたのかまでは、寡聞にして知らない。]

05
G-Spot / Jon Hassel and Blue Screen
ジョン・ハッセルといえば、ブライアン・イーノとのコラボレーションで有名。ジャズ的。ハービー・ハンコックのヘッドハンターズに似ている感じがする。

06
Aquarius / Boards of Canada

07
Mammon / Mark Stewart
今回の目玉はこれだ。Mar Stewart というアルバムから。

The Pop Group の中心人物だったマーク・スチュワート。いまはエイドリアン・シャーウッドと組んでいる。その基本線は1980年初頭から全く変わっていない。それだけでもすごいことだ。ハードだが、ベースが心地よく、かなり気持ちよく聴ける。しかも格好いい。

ぼくはマーク・スチュワートがこんなにも精力的に活動を続けていたなんて知らなかった。このDJを始めてからネタ探しをするようになって始めて知った。自らの不明を恥じる。

08
Sub-culture / New Order
New Order の名曲だと思う。彼らはシンセを使うので、こういうDJに使いやすい。

09
Mr.Rainbow / Slapp Happy
前回と同じくセカンドアルバムから。

10
Not At Home / Wim Mertens + Soft Verdict
1回目の時にかけた At Home という曲のB面。これも名曲。このシングルは何とAB面とも名曲なのだ。

11
Equinox Part.4 / Jean Michel Jarre
前回かけたアルバム Live in China から。ぼくは最初このアルバムを聴いたとき、彼が本当に北京でコンサートをやったことを知らなくてこのアルバムは架空のライブなのだと思っていた。もちろん本当にコンサートをやったのだが。

12
First Light / Harold Budd + Braian Eno
ブライアン・イーノのアンビエントシリーズの傑作、Plateaux of Mirrorから。日本版名は「鏡面界」。当時このアルバムを聴いて以来、ぼくはハロルド・バッドのファンになった。この曲はアルバムの1曲目。本当に傑作です。

2006年2月13日号掲載

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