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トム・ハンクス&ジュリア・ロバーツ&フィリップ・シーモア・ホフマンという、3大アカデミー賞俳優が豪華共演を果たした話題作。1980年代の緊迫した米ソ関係を背景に、ソ連軍がアフガニスタン侵攻を開始。当初、アフガニスタン支援に対して消極的なアメリカであったが、テキサス州選出の下院議員であるチャーリー・ウィルソンらの尽力によって、大きな奇跡が沸きおこっていく……
感動的な実話を映画化した本作は、ただただ史実を堅苦しく再現するだけでなく、ロマンス・コメディ・政治風刺といった多彩な要素を盛り込みながら、深みも奥行きもある見事な作品に仕立てて見せた。ハードさとソフトさを織り交ぜた緩急自在の演出は、名匠マイク・ニコルズの手によるもの。1960年代以降のアメリカ映画を支え続けるこの大ベテラン監督、実はドイツ移民なのである。それゆえ、本作は、妄信的なアメリカ讃美映画に堕することなく、苦味を含んだ真実の検証と問題提起を行なうことに成功しており、秀逸! 社会派作品でもあり、ライトコメディでもあり、スター映画でもあるという、三位一体のアンサンブル作品の成立を心から称えたい。
トム・ハンクスとジュリア・ロバーツとの軽妙なやりとりにニッコリするもよし、強烈な存在感で画面を支配するフィリップ・シーモア・ホフマンに圧倒されるもよし、マイク・ニコルズの演出に舌を巻くもよし。実に達者な映画である。お見事だ!
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