LED ZEPPELIN PART 1
比較検証 レッド・ツェッペリン PART1

I/II/III/IV/PAGETOP

LED ZEPPELIN III

このジャケが10枚ならぶと吐きそうです。しかもグルグルまわるのだ。
LPはすべてGatefold Die-cut Wheel Cover。写真左から
US 70/10/5発売
 1.米初版 Atlantic SD7201(1970,1st,1841Broadway  Green/Red label)
 2.米3rd  Atlantic SD7201(75〜80s?,3rd,+Warner credit  Green/Red label)
 3.米再発 Atlantic SD19128(75〜80s?,4th?,+Warner credit  Green/Red label)
	   (写真にはないが米2ndの区分は「II」といっしょ)
UK 70/10/23発売
 4.英初版 Atlantic/Polydor DELUXE 2401002(1970,1st,Red/Maroon Label,P.Grant Credit,laminated cover)
	   (写真にはないが英2ndはポリドールナンバーで、P.Grant Creditなし、格言あり。英再発はK50002,72?,Green/Orange label)
JP 70/11発売
 5.日初版 Atlantic/Nippon Grammophon MT2043(70,1st,Green/Light Blue Label)
 6.日2nd  Atlantic/Warner P-8005A(71,2nd,Geen/Red Label,with Poster)
 7.日4th  Atlantic/Warner P-6518A(79,4th?,Geen/Red Label,Limited 10th Anniversary Edition)
 8.日6th  Atlantic/Warner AMJY-2002(92,6th?,Geen/Red Label,Limited Edition,from Original Master Tape)
	   (写真にはないが日3rdは Atlantic/Warner P-10106A,価格以外は2ndといっしょ)
手前左からCDで、
 9.旧CD JP Atlantic/Warner 20P2-2025(80年代後半?,リマスター前のCD)
 10.紙ジャケJP Atlantic/EASTWEST AMCY2433(97/11,Papersleeve CD,90 J.Page Remaster)

今でも一番よく聴くのがこの「III」と、「IV」のB面。いつのまにか一番好きなアルバムになってしまってい
る。とくに聴く度に"Friends"は凄い曲だと思う。私なんかは「IV」の"Battle of Evermore"でサンディ・デ
ニーに魅入られてしまい、フェアポート、ペンタングル、スティーライと進んでいったクチだが、それらを
聴いた後にZEPを聴くとやはり超越的な存在だと実感する。
ブリティッシュ・フォーク/エレクトリック・トラッドでこの地点まで到達したバンドはいないのではないだ
ろうか。フェアポートがいかに素晴らしいバンドであっても、"Friends"のような曲は成しえなかった(比較
する方が間違っているが)。
あっいかん珍しく内容の話なんかしちゃった、内容はいいのよ、いまさら。

<ジャケット>
「III」の10.紙ジャケに関しては、どれを元にしたかハッキリしている。だって書いてあるのだ。

表紙右下の水色のAtlanticロゴにSD19128ともとになった品番が表記されている。
トホホ..なんでこんな米再発盤をもとにしたのだろう。
ツェッペリンのアルバムでAtlanticロゴが表紙に入るのはこの3枚目までであるが、
米/日盤はAtlanticロゴに品番付き、英盤は品番なし。9.旧CDはロゴそのものがない。
というように統一されているのに、10.紙ジャケは「I」「II」はAtlanticロゴに品番なしの英盤スタイルで
3枚目だけ米/日盤スタイル。統一性がありません。こりゃ消し忘れかいな。

そして最大の問題が穴の数である。ご指摘のメールをいただいて気づいたのだが確かに少ない。

上は4.英初版との比較だが、本来の穴の数は11個(番号の振り方は適当です)。
もちろんもととなった3.米再発もちゃんと11穴だ。
10.紙ジャケは11個中2.3.4.5.9番の5個のみ。これでは内部の回転盤の大部分を見ることができない。
確かに大いに不満な点である。

次は回転盤を止める中心部の金具(またドーデモイイことを...)。
 
左は4.英初版で上から表紙がかぶさる構造になっており、金具は表に出ない(ドイツ盤もいっしょ)。
中央が5.日初版で、構造は他といっしょだが、金具の頭が閉じているタイプ。
右が10.紙ジャケを含むその他のタイプで、穴が開いており、向こう側の内ジャケが見える。
4.英初版は非常に豪華な作りだ。従ってジャケット内側にも穴は開いていない。

他の盤では飛行船の右下腹部あたり(ちょうど線が交わる所)に穴が開いているのだが、ここも穴なしのス
マートさである。

また4.英初版は全体の作りからして違う。

外内ともコーティングであり、しかもジャケの折り返し方法が違うためブ厚いジャケ。
レコードを収納する側はへりの部分が二重に折り返してある堅牢な作り。
また回転盤のあるサイドも、他の盤は開いていて回転盤をのぞき見ることができるのだが、英盤は折り返さ
れ、きちんと閉じられている(見えないからつまんないという意見も)。
品番にDELUXEとついているだけのことはある。

内ジャケのクレジットの位置も4.英初版は違う。

上が1.米初版で下が4.英初版、中央が10.紙ジャケ。
米盤や日本盤では4カ所に散らばっているクレジット文が4.英初版では右の写真のように内ジャケ左中央にま
とまっている。この方がカッコいいよな。

こちら10.紙ジャケ。米盤といっしょだ。
なお日本盤は見開き中央下のクレジット(Atlantic社の表記)のみ変遷があり、
5.日初版8.日6thが米国Atlantic社そのままで、住所も米国のもの。
6.日2ndが日本ワーナー・パイオニア社の表記。
7.日4thは記載されていない。(しかしこんなことホントどーでもいいですな)

<裏ジャケット>

各国初版と紙ジャケの裏側。これはいっしょ。ちなみにフランス盤はこっちが表。
この中ではやはり美しくコーティングされた4.英初版(中央)が光ってます。

<レーベル>
レーベルデザインの流れは「II」といっしょ。
LPでは"Executive Producer:Peter Grant"のクレジットが4.英初版だけに記載されている。
英2ndプレスではこのクレジットは消えているとのこと。

他のLPはジミー・ペイジのみのクレジットだが、10.紙ジャケには記載されている。
9.旧CDにもあるので、CD化の際に復活したと思われる(亡き功労者への配慮かな)。

<アレイスター・クロウリーのお言葉>
「III」の盤にはジミー・ペイジが信奉した黒魔術師、アレイスター・クロウリーの言葉が刻まれていると昔か
らいわれていた。確かにレーベル外側のRUN-OFF部分(送り溝)にマトリックスナンバーなどとならんでな
んか変な言葉が書いてある。これがそうか?

赤く囲んだ部分がその言葉(見えないですよね、すいません)。
4.英初版はA/B面違う言葉。
A面が"Do What Thou Wilt"、
B面が"So mote it be "。"mote"の"o"は上にチョンがついた字。
英2ndプレスではB面の言葉は入っていないということだ。
(林さんより情報をいただきました。英2ndプレス(ポリドール・ナンバー)で格言が入っているものをお持ちとのことです。
たぶん当方で参照した"2ndプレスではB面の言葉は入っていない"の2ndプレスとは英再発(アトランティックナンバー)
を指していたのではないかと思います。お詫びして訂正いたします)  
一応米盤にも刻んでありますが、今回比較したものはマチマチ。 1.米初版はA/B面とも"Do What Thou Wilt" 2.米3rdはA面のみにこの言葉が刻まれ、B面にはなし。 3.米再発は何故かB面のみ"So mote be it"(it beが逆転している。また"o"は上にチョンがついていない) これは一体どういう意味なんでしょうか。片方だけでも意味があるのか、両方で一続きなのでしょうか? これが今回最後まで解けなかった謎です。どなたか知ってらっしゃる方教えてくださ〜い。 なお日本盤はすべてなし。当然紙ジャケにも入っていませんが、BLUENOTEのRVGの刻印のように是非入れて 欲しかったところです。 このRUN-OFF部分に言葉を彫り込むのは上記RVGが有名で、よくカッティングしたエンジニアが自分の名前を 入れています。 またイギリスのアーティストは好きみたいで、けっこう好き勝手に彫り込んでいます。 中にはA面"Manchester" B面"United"なんていうただのサッカーバカなバンドもありました。 (なんだったっけ、このバカなバンド)。 最近気づいて感激したのはケイト・ブッシュのファーストアルバムのA面に刻まれた"REMEMBER YOURSELF"。 これを見つけたときはがらにもなくジーンとしました(ちょうど”嵐が丘”の後に書いてあるわけです)。 (KOIKE様からアレイスター・クロウリーの謎解き情報をいただきました。 ---以下原文ママ Do What Thou Wilt So mote be it ですが、Thou, Wilt, mote(oの上にチョン)は古英語で、 それぞれyou, will, may/mightの意味だそうです。 どれも聖書の文句にでも出てきそうなことばで、 例えば、Thouは「汝(なんじ)」みたいな感じです。 ですから、現代英語に直すと Do What You Will, So might be it となると思います。で、意味ですが、自信ないのですが 汝がするであろうことをせよ、しからば、そうなるであろう(???) みたいな意味かなあ、という気がします。黒魔術っぽくなくもないような。 (間違っていたらゴメンナサイ...) ---とのことです。感謝感謝。 でもほんとにクロウリーの言葉かどうかはまだ不明。 あとそうすると米盤の彫りは間違ってるわけで、ペイジがマスタリング時に彫ったとしたら、 やっぱり英盤がオリジナルなのかしら....???) またこの格言、「移民の歌」の米シングル、それも初版だけに記されているという噂があった。 しかも後半部分の言葉がLPとは違うとのこと。 これについては舞さんに調査を依頼した。果たして格言はあったのか?(以下原文ママ)。 え〜、というわけで格言はあったんですけど、その前に(期待持たせすぎ爆)、一応 簡単に米盤「移民の歌/ヘイヘイ」シングルについてご説明します。いわゆるカタロ グNoは45−2777で、これはレーベルの右側にプリントされてます。あとマト リックスNoはA面の「移民の歌」がST−A−19553、B面がST−A−20 450です。それぞれ末尾にプレス工場のIDであるMO、SP、PLがついていま す。こちらのマトリックスNoはレーベルの左側にプリントされてます。あといわゆ る再発盤としてレーベルが金色になった「OLDIES SERIES」というのが ありましてこちらはカタログNoはOS−13131に変わっていますが、マトリッ クスNoは古いままになっています。 それでは今回比較したものを順に書いてみます。いちおうA面というか、「移民の 歌」の部分についてのみ記載します。 「移民の歌」片面プロモ(B面はただの網目模様) (レーベル)ST−A−19953−SP (ランオフ)ST−A−19953−3 と 非常に読みづらい字体で8▽−A−7955B III B 「移民の歌」両面プロモ(両面ステレオ) (レーベル)ST−A−19953−MO (ランオフ)ST−A−19953−3 と 非常に読みづらい字体で8▽−A−7955B III B        さらに △83097 「移民の歌」通常盤(B面は「ヘイヘイ」)MOタイプ (レーベル)ST−A−19953−MO (ランオフ)ST−A−19953−3 と 非常に読みづらい字で8▽−A−7955B III B        さらに △83097 というわけで、これはレーベル上ではSP、MOと違うので、プレスされた工場は違うよ うですが、使用されたマザーというかスタンパーは同じものだと判断できます。 そんで、もってお待ちかね、例の格言ですが、以上の3種にはA面というか「移民の 歌」のランオフ部分に「Do What thou wilt shall be the whole of the law」と刻 まれています。かなりレーベル部分のふくらみに近い部分に筆記体に近い形で彫られ ているため、ちょっと間違ってるかもしれないですが、その辺はごかんべんを!(爆) あと、SPタイプの通常盤があるんですが、こちらには格言は入ってません。 「移民の歌」通常盤(B面は「ヘイヘイ」)SPタイプ (レーベル)ST−A−19953−SP (ランオフ)STA (SS)19953−10 ( )の中のSSは上から引っかいて 消している。 でもランオフ部分の末尾が10となっていることから、プレスの時期が遅いことも考 えられるわけです。 あとはプロモのSPとPL、ストックのPLはどうなっているか、ストックでもプレス時期 の違いで格言があるのかないのか、という点は今後の課題でしょう(そんなん課題に せんでもえぇって爆) あと「OLDIES SERIES」ですけど、参考までにマトリックスを書いておきます。もち ろん格言はありません。 (レーベル)ST−A−19953−SP (ランオフ)ST−A−19953−4 という、すっげぇーとしかいいようがない、予想以上の検証を得ることができた。 舞さん、世界ツェッペリン会議があったら講師ですな。 しかし「Do What thou wilt shall be the whole of the law」か、こりゃまったく 今度はどんな意味なんでしょう。それともシングルとアルバム、両方買うと意味をなす のか?もしかして他にもどこかに刻まれている言葉があって、すべて集めるとなにかが... (なわけねーつうの)。 <音質とお値段> このサード当たりから発売日がほとんどいっしょになってきた。 音質もセカンドほどの違いはない。各国盤の傾向は「II」に準ずる。 5.日初版はあいかわらずペラペラの平面的な音。米盤にさらに何層も膜をかぶせたような感じ。 これもピンクの帯付きはン万円と高いが...。 6.日2ndのワーナー盤はちょっとキレや迫力がました感がある。ただしリアルさは遠のいている。 7.日4thは、パープルとイエスとともに3大ロックバンドの結成10周年記念として出された限定版。何が完 全限定かっていうと値段が安かっただけ(2000円/W3000円)。音は6.日2ndといっしょ。マトリックス ナンバーもP-8005Aのままである。 8.日6thは92年に出た最後の日本盤LP。オリジナルマスターテープを米国から取り寄せ、日本でプレス、 印刷したもの。ジャケもオリジナルデザイン(この場合は当然米国盤)。 音はこの手の復刻盤によくある整った音。90年代風に低音をあげてあり、バランスもいい。英盤と米盤の中 間の印象だ。聴きやすく、まとまった音だが、鮮度はやはり落ちている(というか突出していない?)。日 本盤ではもっとも音がいいと思うので中古で見つけたら買いかも(帯付きで2000円くらいだし)。 1.米初版は日本ワーナーといっしょで軽いが、鮮度は高い。ただ英盤を聴いた後ではこの軽さ、特に"移民の歌" がチャカチャカ感じてしまうのは気になる。 2.米3rd3.米再発は基本的に初版といっしょで、鮮度がどんどん落ちていく感じ。 さてまたしても、というかやはり4.英初版である。あいかわらず音が太い。しかもこのアルバムは収録曲の曲 想からいってもブリティッシュ・トラッドの雰囲気は不可欠な要素。とくにB面の音作りは大英帝国の伝統す ら感じさせてくれる。たまりません。 10.紙ジャケもいい音だと思うが、さすがにこの4.英初版の空気感、雰囲気はなくなっている。 各盤のお値段は「II」といっしょだが、4.英初版は最近値上がり傾向で、「II」より高めになっている。 <オマケ> 今回のオマケは日本ワーナー盤についてたポスター。 左から「I」「II」「III」の順。 「I」と「II」は同じ写真の色違いで、最初買った時はナンダヨ〜とか思いましたが、今並べてみると赤と緑の アトランティック・カラーだったんですね(今頃気づいてる)。
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