hustle and bustle とは、日本語的に読むと「ハッスル アンド バッスル」だが英語的には「ハッソー アンド バッソー」という感じになる。 「忙しい、せわしない」というような意味で、hustle and bustle of the city (都会のせわしなさ)のように使用することが多い。

 
塚 本 敏 雄  p r o f i l e

 

 

 
 
 
 

 

 

 

 

 

 

中学生の娘がイギリスにホームステイすることになった。日本から団体で行くのではなく現地集合のサマーセミナーである。したがって成田からロンドン・ヒースロー空港まで一人で行かなくてはならない。そうしたら祖父母が心配して大反対。飛行費代ぐらいは出すから、せめて現地までついて行けと言う。初めは何もそこまでと思ったが、考えてみればロンドンの友人に会ういいチャンスでもある。急遽私のチケットも取り、現地ケンブリッジまで同行することにした。

 2002年7月28日(日)

 8時40分、見送りの妻の車で、成田到着。娘とチェックインカウンターへ。

 9時10分。荷物を預けて預り証とボーディングパスを受け取る。飛行機はヴァージンアトランティックVS901便。

 銀行で両替。£1は194円くらいだが、約200円で計算すると便利。なおポンドの下にはペンスという単位があるが、100ペンスで1ポンド。

 10時前にカフェに行くが、11時のフライトの搭乗時刻(10時)が迫っていたので、カフェに妻を残し娘と二人あわただしく出かける。イミグレーションをとおったのは10時20分頃。それからボディチェック。しかし荷物の中に何か尖ったものが入っていると言われて、何だろうと考えると、それは筆入れに入っているハサミだろうということに思い至り、ハサミを取り出すと「廃棄処分ということでよろしいですか」と言われる。時間もないし、それで結構ですと言うと隣ではわが娘が同じように小さなハサミを取り出している。親子そろってハサミを「廃棄処分」されたことになる。二人して並んで同意書にサインする。後で娘があのハサミは返してくれるのかと言うが、もちろん返してくれるわけはないよ。

 10時40分にGate25に到着。10時50分搭乗。11時過ぎ離陸。

 ロンドンと東京の時差は9時間(サマータイムを使っている間は8時間)。飛行時間は13時間(行きの場合)。

 私はかなり寝たが、娘はあまり寝なかった様子。

 そういえばもう17年ほど前に初めて妻と新婚旅行でパリとロンドンに行ったとき、機内で寝られずに苦労した記憶がある。きっと初めての海外旅行で興奮していたせいもあるだろう。しかし今の私はなるべき機内は寝るようにしているし、またどこでも寝られるようになった。寝られるときに寝ておくというのは大事なことである。しかしどうも私は鼾がすごくて周りには迷惑をかけることが多いようだ。人の迷惑顧みずということになる。同行者がいるときには余りにうるさかったら起こしてくれといつも頼んでいる。それはともかく。

 

 ここからはロンドン時間。

 午後4時10分、ヒースロー空港到着。

 歩きながら、売店を見つけたのでMANIVAというミネラルウォーターを買う。1本£1.05。約200円。しかし飲んでみると炭酸入り。炭酸入りをsparkling、普通のものをstillといい、結構、sparkling のものが売られている。娘はsparklingは飲めないと言うので、私だけが飲む。

 イミグレーションは混雑していた。あとでロンドン在住の友人も言っていたがヒースローのイミグレーションは暗い。昼だか夜だか分からない感じ。何となく気分が暗くなる。しかも混んでいて通過するのに1時間ほどかかった。成田だったらこんなにはかからないだろうな。

 娘は、係員に何か聞かれたら何と答えるの?と言うので、"Sightseeing"と答えるだんよと教えると、「それ、どういう意味?」と言う。

 「サイトシーイングって観光って意味だよ」

 「でも観光じゃないよ、私の場合」

 「そりゃ、そうだけどその方が面倒くさくなくていいんだよ」

 「でも…」

 「まあどうしても正直に答えたければ、homestay とか short program って言ってもいいけど…」

 それでどうも、What is the purpose of your visit ? と聞かれ、short program と答えたらしく、入学許可証を見せろと言われていた。通過し終えた私がそばに寄っていって、She is my daughter. She is coming with me. と言うと、係員もそれ以上言うのが面倒になったらしく通してくれた。

 もっともそんなときのために入学許可書はかばんに入れて携帯していたから、出せと言われれば出せるようにはしてあったのだが。

 5時20分、Baggage Claim で荷物を取り、出口へ。出迎えの人で混雑している。学校の名前を書いた紙を持った人が出迎えに来ているはずだが、なにしろ混雑しているのでなかなか見つからない。うろうろしているとようやく学校の名前を書いた紙を持った女性を見つけたので名前を告げると、こっちだと言って脇の方に連れていってくれる。ベンチのところにすでに4〜5人の日本人の男女が座っていた。だいたい高校らしき年格好。娘はトランクを置いてその上に座る。疲れている様子。眠い眠いと言う

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