起床7時20分。なぜか早めに起きてしまう。
7時40分に朝食を頼む。今日も「機内食」のようなブレックファスト…。とほほ。
8時30分にホテルを出る。いつまでもひとりで部屋にいても面白いことはないから。とりあえず高級デパート
Harrods に行くつもり。昨夜グレンに「明日はどこに行くのか」と問われ、デパートに買い物にでも行こうかと思っていると言ったら、それならハロッズがいいと言われたのだ。一度見物してもいいデパートだからね。ただし半ズボンはダメだよとも言われた。それからバックパッキングもダメ。なにしろロンドン一の高級デパートである。どんな政治家でも映画スターでも変な格好では入れないのだと言われ、暑かったのにズボンをはいていく。リュックは背負わずに手で持てばいいのだとか。
ところでハロッズはどこにあるの?
「Knightsbridge だよ」
どうやって行けばいい?
「バスがいいね」地下鉄はないの?
「ないことはないけど、バスの方が便利だよ」
なるほど。
「昔、ナイツブリッジには地下鉄はなかった。なんでだか知ってる」
知らない。
「ずっと昔、ロンドンに大変な疫病が流行ってね。それで多くの人が死んだ。その遺体をナイツブリッジの辺りに埋めたんだって。だからあの辺りを誰も掘りたがらなかったのさ」
というわけで、ピカデリーサーカスからバスに乗ろうとするが、いったいどのバスに乗ればいいのか。ナイツブリッジの方向を地図で確認してから、手当たり次第にバスストップの標示を見て歩く。3つ目でナイツブリッジ行きのバス停を見つけた。バスは有名な2階建てのバス・ダブルデッカーである。
バスに扉はない。入り口から乗ると車掌がいて席に座ると運賃を取りに来る。バス代は£1。車掌は中近東系かと思われる人。そう言えば、ピカデリーサーカスで道路の清掃をしていた人たちは黒人系か中央アジア系の風貌が多かった。あからさまな差別はないだろうが、誰でもがビジネスマンになれるわけではないのだろう。
これはナイツブリッジに行くかと問うと車掌は肯く。では降りる場所になったら教えてくれと頼む。そういうわけだから2階には上がらなかった。
すぐにナイツブリッジに着く。着いたのは9時半。ハロッズが開くのはもちろん10時だからだいぶ早めに着いてしまったことになる。仕方なく、向かい側の道を歩いてカフェを見つけて休憩。店内に入って「ティみたいなものはありますか」と言うと「ティみたいなものはないけどティならあります」と笑われた。馬鹿なことを聞いたものだ。テラスでモーニングティ。
10時になったので、ハロッズへ。もちろんリュックは手に持って。妻への土産を求めるべく、ブランド品の階へ。
それにしても広い。ここには世界中のデザイナーが出店しているのではないだろうか。いや、冗談ではなく。私は何度、Excuse
me. I'm looking for PRADA. などと店員に聞いたことだろう。一度聞いてある程度方向を確かめて、その方向に行ってからまた聞く。その繰り返しでようやく目当てのコーナーを発見した。いやはや。
店内を歩くと中央に Egyptian Escalator があった。店内は撮影禁止なので写真は撮れなかったが。一番上にはファラオの顔が。イギリス人のエジプト趣味というのはホントなんだなと変なところで感心する。
そのエスカレーターの一番下には、ダイアナ妃のメモリアルが。ここだけは撮影可だった。死してなおダイアナ妃の人気が絶大であることが分かる。
12時半にハロッズを出て、すぐ近くの駅からチューブに乗る。何だ、地下鉄あるじゃないか。そうか、あれは昔の話か。
ナイツブリッジからピカデリーラインで Hammersmith 駅へ。ここで Hammersmith
& City Line に乗り換えるつもり。ところが標示の方向に行くと、そこには改札が。あれ?これでは外で出てしまう。ということはまたチケットを買い直さなければならないことになる。ちなみにロンドンにはトラベルカードというのが売られていて、これを買えば一日何度でも乗降できるのだが、そんなにあちこち行くわけでもないしと思い、買っていなかった。
ロンドンのチューブはゾーンに分かれている。ゾーンは1から6まであり、中心部は1、遠くなるほど数字が増えていく。ちなみにヒースロー空港はゾーン6に位置する。ゾーン1なら均一£1.6。ゾーン2は£1.9である。ハマースミス駅はゾーン2にあることにこのとき初めて気付いた。
いったん駅の外に出てチケットを買い直せばいいのだが、それでは高くつく。駅員にチケットを見せて、ハマースミス&シティラインに行きたいのだがと言うと、そこの窓口で追加料金を払えばいいと言われる。そこで£0.3を払いもう一枚チケットをもらう。しかし2枚のチケットでは自動改札口は通らない。仕方なく駅員に2枚のチケットを見せて説明し改札を開けてもらう。
乗り換えてハマースミス&シティラインへ。このラインは、チューブとは言っても地上を走る。 Ladbroke
Grove 駅で降りる。ここにはPortbello Market というストリートマーケットがあり、ガイドブックによっては載っていることもある。しかし、そのマーケットが目的ではない。ここには
Rough Trade という知る人ぞ知るレコードショップがあるのだ。
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