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 今日あげるプレイリストは、2006年6月13日につくばのカフェレストラン「アストロラウンジ」でやったDJセットのもので、この場所のDJとしては21回目にあたるのだが、現実の世界では今は2006年の11月。実はここでDJを始めたのは昨年の11月1日。つまりすでに1周年を迎えていることになる。

 わたしのDJネームにもあるとおり、80年代のオルタナティブロックを中心に紹介したと思いながら始めたDJだが、熱心な読者ならすでにご存じのように現在はだいぶエレクトロニカをかけるようになっている。だが、わたしの中では特にそのことに対する違和感はない。なぜだろう。

 例えばブライアン・イーノがアンビエントという音楽概念を提唱したのは1970年代の中頃だったはず。今でもアンビエント・ミュージックという概念は十分に通用している。だから現代のアンビエントのすぐ後にイーノのアンビエントをかけてもあまり違和感がない。エレクトロニカを通じて、1970年代から2000年代、つまりこの30年間は地続きだと思える。


01
Superfly / Ken Ishii
前回もかけたケン・イシイ。今回は、Metal Blue America(1997年)というアルバムから。この曲をどんなふうに説明したらいいのだろう。このアルバム、全体的には BPMが速く、ボーカルが入っていたりして、The Chemical Brothers的な仕上がりになっているが、この曲は異色。わたしは彼の曲の中では異色のものの方が好きだ。

02
Release It (instrumental) / Afro Celt Sound System
Afro Celt Sound Systemをかけるのは3回目か。これも前回同様に、彼らのセカンドアルバム Volume 2: Release(1999年)から。この時期毎回 Afro Celt Sound Systemをかけていた。

03
The Patience of a Saint / Electronic
これも何回かかけているNew Order の Bernard Sumnerのプロジェクト Electronic のファーストアルバム Electronic(1994年)から。哀愁漂う。

04
Hexagon / Aphex Twin
エイフェックス・トゥインの Selected Ambient Works Vol.2(1994年)から。

05
Ali Click / Brian Eno
ほらね。エイフェックス・トゥインの後にブライアン・イーノの曲をかけても全然違和感ないでしょう。この曲は、Nerve Net(1992年)というアルバムか。

06
You Can't Go Home Again / DJ Shadow
DJ Shadow をかけるのは初めて。今回の目玉はこの人ですね。

サンプリングの人として有名。ものすごく多くのレコードから丹念にネタを拾い出し何層にも重ねる手法。この曲は、The Private Press(2002年)というセカンドアルバムから。冒頭にニヤリとさせられる。だがわたしにも全てのネタが分かっているわけでない。というか大半は分かっていない。彼の登場以降、多くの模倣者を生んだ。わざとレコードのノイズ音を入れている。

07
Discovery / The Names
このバンドも以前にかけた。Joy Divisionのフォロワーで、ベルギー出身のバンド。この曲はジョイ・ディヴィジョン好きにはたまらない感じ。2000年に出た Swimming というCDでかけているが、もちろん音源は古い。

08
Go (Voodoo Child Mix) / Moby
Mobyの Go: The Collected Mixesというアルバムから。Voodoo Childというのは Moby の別名であるので、彼自身のリミックスということになる。わたしの持っているものは、Collected B-Sides 1989 - 1993 という2枚組のCD。その2枚目が、Go : The Collected Mixies である。Goという曲のリミックスが何と14ヴァージョンも収録されている。

09
Monday / Orbital
オービタルも何度もかけている。彼のセカンドアルバム Orbital II(1993年)から。このアルバムは、彼のアルバムの中で最も出来がいいと思う。

10
Dein Schewiss (edit) / Sven Vath
以前に一度かけたSven Vath。ドイツのミュージシャンだ。石野卓球の関係でワイヤーにも出場している。これは、Dein Schweiss(1999年)というシングルから。Contact(2000年)というアルバムにも収録されている。いかにもドイツのテクノという感じ。

11
Vigilant / Area
今回のもう一つの初登場はこのグループ。Cocteau Twins などに通じる趣。The Perfect Dream(1988年)というアルバムから。

12
Nightly Cares / Mum
何度もかけているMum。この曲は、Summer Make Good(2004年)というアルバムから。アイスランドのバンド。アイスランドは Sigur Ros が有名だが、わたしは Sigur Ros よりもこっちの方がいいと思っている。

※  ※  ※

 今回から、iTune Music Store内のiMixで、上のプレイリストを公開することにした

 自分のコンピュータにiTunesが入っていれば、上記リンクをクリックするとプレイリストが表示される。iTunesを持っていない場合は同じ場所からダウンロード(無償)することもできる。

 ただしすべての曲がITMS(iTunes Music Store)に登録されているわけではないので、今回聴けるのは上のリストのうち4曲だけ。 You Can't Go Home Again (DJ Shadow)、 Discovery (The Names)、 Vigilant (Area)、Nightly Cares (Mum)です。クリックすると30秒間の試聴ができるので聴いてみて下さい。気に入ったらそのまま購入することもできます。だいたい1曲150円ですね。

 

2006年11月07日号掲載

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