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あけすけに下半身ネタを盛り込んだコメディ・テイストが楽しい1作。
こういったタイプの作品を、ひと昔前(いや、ふた昔前か……)には <艶笑喜劇> と表現した。艶笑喜劇の本場と言えばヨーロッパ。それも特にイタリアに、艶笑喜劇の秀作・快作が多かったように思うが、本作の舞台はニューヨーク。4人のヒロインが繰り広げる都市型の最先端艶笑喜劇であり、様々なジュエリーや豪華な衣装にうっとりと見とれながら、クスクスゲラゲラと笑い転げることが出来るはずだ。
多くの方が御存知だと思うが、本作は大人気同名TVシリーズの映画化作品である。1998年に放送を開始し、2004年までに6シーズンが製作・放映され、大ブームを巻き起こした。この日本でも、衛星放送やDVDで人気を博し、東京での映画館は、TVシリーズがイベント上映されたほど。作品評価も高く、シリーズ通しての受賞はゴールデン・グローブ賞8回、エミー賞7回にも及んでいる。
と書いたところで、筆者はこれまでにTVシリーズを1話として鑑賞したことがなかった。おまけに、いかにも女性向けと思えるイメージを抱いていたため、男性である筆者は戦々恐々としながら試写に臨んだものである。男性の映画ファンなら、同じ危惧を共有していただける方、多いだろう。彼女や女性の友人のお伴として、自身はさほど乗り気ではないのに劇場に足を運ぶという男性もきっと大勢いらっしゃるのではないか?
しかし、御安心いただきたい。TVシリーズを鑑賞しているに越したことはないが、たとえそうでなくとも充分に楽しめるように作られているので、まず一つ胸をなでおろした。次いで、その面白さも嬉しいところで、男性・女性の別なく面白く感じられることには太鼓判を押したい。
4人のヒロインは以下の通り。
・ファッション・アイコンでセックス・コラムニストのキャリー(サラ・ジェシカ・パーカー)
・美貌とパワーを兼ね備えたPR会社社長のサマンサ(キム・キャトラル)
・理想の結婚を果たしたシャーロット(クリスティン・デイヴィス)
・母親かつ敏腕弁護士のミランダ(シンシア・ニクソン)
いずれもTVシリーズでお馴染みのキャラクター&キャスティングが揃った。ここに、TVシリーズにゲスト出演もしていたキャンディス・バーゲン(映画ファンにはお馴染みですね)や、『ドリーム・ガールズ』でアカデミー賞助演女優賞に輝いたジェニファー・ハドソンが加わり、華やかさも倍増している。
その華やかさを支えるのが、先にも書いた豪華な衣装の数々で、これがまた目に楽しい。シャネル、プラダ、グッチマノロ・ブラニクなどなど、4人のヒロインのために用意された衣装は約300着、作品全体では1000着を超えるとか(!!)
と書いてきたところで、真の主人公はニューヨークという街そのものであると気付いた。悲喜こもごもの人生を数多く包み込むマンハッタンこそ現代という時代における自由の女神の象徴なのだ。痛快!
セックス・アンド・ザ・シティ http://sexandthecity-movie.gyao.jp/
原題『SEX AND THE CITY』
2008年 アメリカ 144分 配給:ギャガ・コミュニケーションズ
監督・製作・脚本:マイケル・パトリック・キング
出演:サラ・ジェシカ・パーカー、キム・キャトラル、クリスティン・デイヴィス、シンシア・ニクソン、クリス・ノース、ジェニファー・ハドソン、キャンディス・バーゲン、ほか
【上映スケジュール】
8/23(土)〜
東京:日劇3ほか
大阪:TOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば、なんばパークスシネマ、アポロシネマ8、ほか
京都:TOHOシネマズ二条、MOVIX京都、ほか
兵庫:シネモザイク、TOHOシネマズ伊丹、OSシネマズミント神戸、109シネマズHAT神戸、MOVIX六甲、ほか
そのほか、全国東宝洋画系にて一斉ロードショー