©2008「蛇にピアス」フィルムパートナーズ |
舞台演出家として世界的に有名な蜷川幸雄の映画監督最新作。『魔性の夏 四谷怪談より』(1981)で映画初監督。連続して『海よお前が -帆船日本丸の青春-』(1981)を発表した後は舞台に専念していたが、20年以上の時を経て『嗤う伊右衛門』(2003)で再び映画界に舞い戻り、続けざまに『青の炎』(2003)を世に送り出した。このように、これまでの映画監督・蜷川幸雄は、<1年に2本を連続的に監督→長い冬眠期間→また連続的に監督> というパターンであったから、その年齢から考えても『青の炎』が映画監督としての最後の作品であるに違いないと予想した者も多いだろう。それも、まさか僅か5年のインターバルに止まるとは驚いた。しかし、真に驚くべきは、思いがけず早く実現したこの最新作が持つ、さながら研ぎ澄まされたナイフのような見事な切れ味にこそある。
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冒頭、主人公である19歳のルイ(吉高由里子)の目となったカメラが、グルリと渋谷の夜を映し出す。その導入部が、いかにもありきたりなものに思えて、ここで一抹の不安を感じたものだが、続けて若者がたむろする享楽の異空間たるクラブ内のシークエンスで、一気に引き込まれた。ルイと、彼女に興味を示したパンク少年のアマが出会うシーンだ。
アマ:「スプリット・タンって知ってる?」
ルイ:「えっ!? なに?」
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蛇にピアス http://hebi.gyao.jp/
2008年 日本 123分 R‐15指定作品 配給:ギャガ・コミュニケーションズ
監督・脚本:蜷川幸雄
出演:吉高由里子、高良健吾、ARATA、あびる優、ソニンほか
特別出演:市川亀治郎、井手らっきょ、小栗旬、唐沢寿明、藤原竜也
【上映スケジュール】
9/20(土)〜
東京:シネマGAGA!、シネスイッチ銀座、新宿バルト9、シネ・リーブル池袋、ほか
大阪:シネ・リーブル梅田、なんばパークスシネマ、MOVIX堺
京都:京都シネマ
兵庫:シネ・リーブル神戸
ほか、全国順次公開