©2006 Xuxa Producciones SL - All Rights Reserved |
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風格ある大スケールのコスチューム史劇だが、エンターテインメント性を失うことなく、超一級の娯楽作に仕立てた手腕は『アマデウス』を思い出させ、その衰えを知らない卓越した演出に目を見張った。15年に及ぶ激動のスペイン史を、一人の語り部が目撃したある男女の非業な身の上を通して描き切っている。少々長くなるが、そのあらすじを御紹介しよう。
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丁度この頃、ロレンソは形骸化していたカソリック教会の権威を復活させるべく、異端審問の強化を目論んでいた。ほどなく、イネスが審問所に連行されてしまう。居酒屋で豚肉を食べなかったところを目撃され、ユダヤ教徒だと疑われたのだ。トマスに頼まれたゴヤは、肖像画の代金&修道院への寄付を交換条件にイネスの釈放を訴え、ロレンソはこれを承諾して異端審問所を訪れる。ロレンソは、ここで初めて自身の心を奪ったあの肖像画の天使と対面を果たしたのだ。ここで2人は惹かれ合い、結ばれてしまう。しかし、この時、イネスは既に拷問によってユダヤ教徒であると虚偽の告白を行った後であった。
娘が釈放されないと知ったトマスは、ロレンソを誘い出し逆に拷問にかける。異端審問の不当性を証明するためだ。ロレンソはあっさりと責め苦に屈した。ところが、教会はイネスの釈放を認めず、更に恥さらし者のロレンソの追求を画策する。身の危険を感じたロレンソはフランスへと亡命する――。
15年後、フランス革命後に皇帝となったナポレオンはスペイン内紛にも介入し、軍隊を送り込んだ。異端審問は直ちに廃止され、イネスはようやく解放される。既に家族は亡くなり途方に暮れるイネスはゴヤを頼る。病で耳が聴こえなくなってしまっていたゴヤだが、突然の訪問者をイネスだと悟り、フランス政府の大臣としてスペインに舞い戻っていたロレンソと引き合わせる。そこでイネスは驚くべき真実を告げる。「おおっ、愛するロレンソ! 私たちの赤ちゃんはどこへ行ったの?」
ゴヤはこれまでの全てを見ていた。そして、彼はこの残酷な愛憎劇の終幕も見届けることになるのである……】
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宮廷画家ゴヤは見た http://www.goya-mita.com/
原題『GOYA'S GHOSTS』
2006年 アメリカ/スペイン 114分 配給:ゴー・シネマ
監督・脚本:ミロス・フォアマン
出演:ハビエル・バルデム、ナタリー・ポートマン、ステラン・スカルスガルド、ランディ・クエイド、ほか
【上映スケジュール】
10/ 4(土)〜 東京:有楽町スバル座、渋谷東急、新宿ミラノ、シネ・リーブル池袋、ほか
10/11(土)〜 大阪:シネ・リーブル梅田、敷島シネポップ、ほか
10/11(土)〜 京都:新京極シネラリーベ
10/11(土)〜 神戸:シネ・リーブル神戸、ほか
ほか、全国順次公開