イーグル・アイ

最先端の巻き込まれ型サスペンス　

©2008 DREAMWORKS LLC. All Rights Reserved.

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【「30秒後にFBIが到着する。今すぐ逃げなさい」　唐突な電話が平凡な青年ジェリーの下に掛かってくる。声の主は“アリア”と名乗る謎の女性。直後、FBIが到着。わけがわからないまま、テロ容疑で連行されてしまうジェリー。全く身に覚えのないジェリーは戸惑うが、そこにまた“アリア”からの指示が……　「逃げろと言ったでしょう。10秒あるわ……床に伏せなさい」　声に導かれるままに行動したジェリーは脱出に成功する。同じ頃、シングルマザーのレイチェルは、楽団の演奏旅行に向かう幼い1人息子を見送り、バーで一息ついていた。そこに“アリア”からの電話。「息子のために命をかけられる？」　レイチェルもまた、わけのわからぬまま、“アリア”の指示に従うこととなってしまう。やがて、ジェリーとレイチェルは合流。FBIに追われながら、共に行動を共にすることになる。それが超大国アメリカを激震させるミッションだとも知らずに……】
というストーリー。

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　製作総指揮：スティーヴン・スピルバーグ×監督：Ｄ・Ｊ・カールソー×主演：シャイア・ラブーフは、2007年公開の『ディスタービア』でスマッシュヒットを飛ばした。『ディスタービア』は、アルフレッド・ヒッチコック監督の名作『裏窓』を彷彿とさせる覗き見サスペンスだったが、本作もやはりヒッチコキアン・テイストに溢れた作品となっている。

　平凡で善良な人物が、身に覚えのない事件に翻弄されるという設定は典型的な“巻き込まれ型サスペンス”で、ヒッチコックはこのスタイルの第一人者であった。本作の場合、ヒッチコックの代表作である『知りすぎていた男』と『北北西に進路をとれ』を連想させるストーリー展開となっているが、そこに、ＳＦ要素と今風のポリティカル・サスペンス風の味付けを加えているのがミソ。現代文化の象徴である携帯電話やインターネット、街中に溢れる防犯カメラなどを監視ツールとして駆使し、管理社会の恐怖を観る者の皮膚感覚に訴えかけてくるあたり、目の付け所は抜群だ。

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　熱心な映画ファンならば、すぐに「ああ、これはあの映画。おっ、こっちはあの映画からだな」といったような元ネタ探しが楽しく、嬉しい。先述したヒッチコック作品の他にも、スタンリー・キューブリック監督によるアノ金字塔的ＳＦ作品からの影響も色濃く、思わずニンマリすることは請け合いだ。また、男女の逃避行と言えば、アメリカン・ニューシネマを代表するアノ作品も思い浮かぶ。そう、あのボニー＆クライドの物語だ。

　もちろん、特に映画に詳しくないという方でも大丈夫！　謎が謎を呼ぶストーリー展開と、随所で炸裂する大迫力のアクション・シーンにブンブン振り回されること請け合いで、大いに楽しめるはずだ。

　ド派手でスピーディーなジェットコースター・ムービー。あれこれと考えながら見るとストーリーの荒さが気になってしまうが、何も考えずに見れば実に面白い作品に仕上がっている。ポップコーン片手に楽しんで！

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　 < P．S．アイラヴユー | その土曜日、7時58分 >　>>

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