日本初のフルデジタル3D長篇実写映画全国公開作品である。
これまでにも3D映画(立体映画)は存在した。80年代に『13日の金曜日PART3』(1982)、『ジョーズ3』(1983)といったホラー映画や、『ドラえもん のび太と鉄人兵団』(1986)の併映作品だった『オバケのQ太郎 とびだせ!バケバケ大作戦』といったアニメーション映画を、赤と青のセロハンメガネをかけて鑑賞した体験お持ちの方も多いだろう。
90年代に入るとI−MAXシアターが登場したし、2000年代に入ってからも『スパイキッズ3‐D:ゲームオーバー』(2003)や『超立体映画 ゾンビ3D』(2006)が3D映画として我が国でも公開されている。
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原作はジュール・ヴェルヌによるSF小説の古典『地底旅行』。東京ディズニー・シーの人気アトラクションにもなっているほか、これまでに幾度となく劇場用映画化&TV映画化がなされてきたが、もちろん3D映像による映画化は初。ジュール・ヴェルヌが提唱した“地球内部空洞説”に基づいて、タイトル通りの地底旅行が描かれる。
【地質構造学者のトレバーと甥っ子のショーン、美人山岳ガイドのハンナの3人が、地球の中心に繋がっている穴に入り込んでいくと、やがてそこにはもう一つの世界が広がっていた。見知らぬ植物・奇怪な魚・獰猛で巨大な恐竜……】
本作は、めくるめく地底世界での冒険を危機また危機の連続で描く大スペクタクル・アドベンチャーだ。
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監督のエリック・ブレヴィグは、東京ディズニー・ランドの人気アトラクション『キャプテンEO』や『ミクロ・アドベンチャー!』のビジュアル・エフェクツを担当した人物だけあって、アトラクションとしての映画演出もツボを心得ている。どこか80年代テイストの懐かしい大冒険は、無闇な残酷さもなく、大人も子どもも楽しめる健全なもの。とはいえ、サスペンスの畳み掛けも上手く、大いに手に汗を握らせてくれるのが嬉しい。画面から飛び出す映像を体感する楽しみを思う存分味わって頂きたい。この秋、映画館が遊園地に変わる!
それだけで小躍りしたくなってしまうのは、筆者がこの種の作品に目がないからであるが(よく誤解されるが、筆者が最も好んで飛びつく洋画は中世史劇=コスチューム劇なのだ。ホラーやサスペンスも確かに好きだが、飛びぬけて好きなのが中世史劇や文芸作品である)、その贔屓目を差し引いても、本作は実に見応えのある立派なエンターテインメント作品に仕上がっているので、読者諸氏にも是非御覧いただきたい。
センター・オブ・ジ・アース http://3d.gyao.jp/
原題:『JOURNEY TO THE CENTER OF THE EARTH 3D』
・第21回東京国際映画祭特別招待作品
2008年 アメリカ 92分 配給:ギャガ・コミュニケーションズ
監督:エリック・ブレヴィグ
原作:ジュール・ヴェルヌ『地底旅行』
出演:ブレンダン・フレイザー、ジョシュ・ハッチャーソン、アニタ・ブリエム、ほか
吹替版声の出演:沢村一樹、入江甚儀、矢口真理、ほか
【上映スケジュール】
10/25(土)〜
東京:TOHOシネマズ六本木ヒルズ、ほか
大阪:TOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば、ほか
京都:TOHOシネマズ二条
兵庫:TOHOシネマズ西宮OS、TOHOシネマズ伊丹、ほか
奈良:TOHOシネマズ橿原
和歌山:ジストシネマ和歌山
そのほか、全国一斉公開
※本作の上映形態には【3Dスクリーン(吹替)、2Dスクリーン(吹替)、2Dスクリーン(字幕)】の3種類があり、劇場によって異なります。詳細は作品HP、または上映劇場HPで御確認下さい。尚、3D上映に関しては字幕版のみの上映となります(デジタル3D専用メガネはお持ち帰り頂けません)
※3D上映は特別興行となるため、料金形態が通常とは異なります(各種割引制度は御利用頂けません)
【一般・大高生…2,000円 中学生以下・シニア…1,500円】