テイチクの紙ジャケは96年末に発売されたキャンディドと翌97年末のタ イムのハイ・ビット・ハイパー・マスタリング・コレクションである。 どちらのレーベルもそれほど大きくはないが、よい音楽を制作しようと いう気概は持ってた。そんなレーベルに集まるアーティストもやはり気 概のある人が多く、ミンガス、ブッカー・リトルなど、ガツンと来る音 を出す人たちがアルバムを残している。
CANDID ハイ・ビット・ハイパー・マスタリング・コレクション 96/12,97/4,97/7,9,10リリース 各\1,942 30w |
96/12 第1期 6w TECW-20377 リチャード・ウィリアムス/ニュー・ホーン・イン・タウン TECW-20378 カル・マッセイ/ブルース・トゥ・コルトレーン TECW-20379 ブッカー・リトル/アウト・フロント TECW-20380 ベニー・ベイリー/ビック・ブラス TECW-20381 ドン・エリス/ハウ・タイム・パッシーズ TECW-20382 クラーク・テリー/カラー・チャンジズ 97/4 第2期 8w TECW-20488 ブッカー・アーヴィン/ザッツ・イット! TECW-20489 トシコ=マリアーノ・カルテット TECW-20490 ラッキー・トンプソン・ウィズ・マーシャル・ソラール・トリオ・イン・パリ1961 TECW-20491 フィル・ウッズ/ライツ・オブ・スイング TECW-20492 スティーヴ・レイシー/ザ・ストレート・ホーン・オブ・スティーヴ・レイシー(写真) TECW-20493 ジャッキー・バイアード/ブルース・フォー・スモーク TECW-20494 レイ・クロフォード/スムース・グルーヴ TECW-20495 ドン・エリス/アウト・オブ・ノー・ホエア 97/7 第3期 7w ミンガス=ドルフィー編 TECW-20549 チャールズ・ミンガス/ミンガス・プレゼンツ・ミンガス TECW-20550 チャールズ・ミンガス/ミンガス TECW-20551 チャールズ・ミンガス/リインカーネイション・オブ・ア・ラブ・バード TECW-20552 チャールズ・ミンガス/ミステリアス・ブルース TECW-20553 エリック・ドルフィー/キャンディド・ドルフィー TECW-20554 ジャズ・アーティスト・ギルド/ザ・ジャズ・ライフ! TECW-20555 ジャズ・アーティスト・ギルド/ニューポート・レベルズ 97/9 第4期 4w セシル・テイラー編 TECW-20595 セシル・テイラー/ニューヨーク・シティR&B TECW-20596 セシル・テイラー/ジャンピン・パンキンス TECW-20597 セシル・テイラー/セル・ウォーク・フォー・セレステ TECW-20598 セシル・テイラー/エアー 97/10 第5期 5w TECW-20608 アビー・リンカーン/ストレイト・アヘッド TECW-20609 ナンシー・ハーロウ/ワイルド・ウィメン・ドント・ハヴ・ザ・ブルース TECW-20610 ピーウィ・ラッセル=コールマン・ホーキンス/ジャズ・リユニオン TECW-20611 マーティ・ペイチ/ザ・ピカソ・オブ・ビッグ・バンド・ジャズ TECW-20612 チェンバー・ジャズ・セクステット・プレイズ・パル・ジョイ シリーズ評価 3 NORMAL テイチクの紙ジャケは、かなり丈夫な厚紙があてがってあって、流通段 階での紙ジャケの痛みを保護している。こうした配慮はよいことだが、 コストがかさむのではと、余計な心配をしてしまう。 キャンディドは、個性的なアーティストが多いので、レーベルとしてま とめてシリーズ購入というよりも、自分の好きなアーティストのキャン ディド時代の演奏も聴いてみるといった感じか。 シリーズで1枚 これは、まったく個人的な好みで、「ザ・ストレート・ホーン・オブ・ スティーヴ・レイシー」を選びたい。ジャケもストレートホーンをスト レートに抱えるレイシーが決まってるねぇ。 スティーヴ・レイシーの作品には、フリーフォームなものも多いけど、 これは聴きやすいアルバムです。 レア度(99年初) キャンディドのアルバムは紙ジャケの品揃えに力を入れているレコード 店では99年1月現在も新品で購入可能。(w)
TIME ハイ・ビット・ハイパー・マスタリング・コレクション 97/12リリース 各\1,905 10w |
TECW20630 ソニー・クラーク・トリオ+4(写真) TECW20631 ブッカー・リトル TECW20632 ケニー・ドーハム/ショウ・ボート TECW20633 スタンリー・タレンタイン/ザ・マン TECW20634 マックス・ローチ/アワード・ウィニング・ドラマー+3 TECW20635 ベニー・グリーン TECW20636 ケニー・ドーハム/ジャズ・コンテンポラリー+4 TECW20637 トミー・タレンタイン・プラス・マックス・ローチ TECW20638 ジャッキー・パリス/シングス・ザ・リリックス・オブ・アイラ・ガーシュイン TECW20639 マリアン・マクバートランド/ボサ・ノバ+ソウル シリーズ評価 3 NORMAL TIME盤は、なかなかの良盤、好盤揃いだが、やや小粒か。(w) ジャケットの紙質がペラペラで、なんかプロモ盤のようだが、まぁオリ ジナルのLPもペラペラだったかもしれない。 リマスタリングはOKテイクをつないだ編集済みプロダクションマスター をもとに行われたようだが、なんとボーナストラックのみ、おおもとの スリー・トラック・セッション・テープからDATにデジタルマスタリ ングしたものを使っているとのこと。ボーナストラックの音の鮮度がい いように聞こえるのはそのせい?(s) シリーズで1枚 TIME盤といえば、やはりブッカー・リトルの「ブッカー・リトル」 で決まり!彼の短い人生の中では貴重なリーダーアルバム。 とにかく演奏がスカッとしていてカッコイイ!単刀直入、直球勝負だ! ジャケもカッコイイぞ!このカッコ良さはプラケースでは半減している やはりTIMEの「ブッカー・リトル」は紙ジャケだ!(w) 賛成。何しろクァルテットだし。このリトルは最高です。1曲目のソロ の途中で差し挟まれるクラシカルなフレーズにハッとします。ラファロ のベースも凄い。その他もボブ・シャッドのプロデュースによるTIM Eの名盤ぞろい。ボーナス・トラックのうれしいソニー・クラークや、 S.タレンタインもオススメ。(s) レア度(99年初頭) 全て新品で購入は可能だが、「ブッカー・リトル」などは見つけた時に 買っておこう。その内に入手が困難になるのは目に見えているから。(w)
ディープ・パープル 結成30周年記念コレクション テイチク編 98/6/24リリース ¥2100/w¥2800 6W |
TECW21717 ハッシュ TECW21718 詩人タリエシンの世界(写真) TECW21719 III TECW28720/1ディープ・パープル・イン・コンサート〜完全版〜 TECW21722 ディープ・パープル・イン・ロンドン TECW21723 ライヴ・アンド・レア →第2期以降はワーナーから →再結成後はポリグラムから シリーズ評価 3 NORMAL パープル30周年の一環としてテイチクは第1期を中心に紙ジャケ化。 現在権利を持っているDEEP PURPLE(OVERSEAS)からライセンスを受け ての発売である。したがってレーベルはオリジナルの復刻とはなっ ていない。 帯にデジタル・リマスターと書いてあるが、それ以外のクレジット はない。これではいつのどんなリマスターかわからない。まぁ音が よければいいんで、別にクレジットなどいらないという考えもある だろうが、これがはっきりしないといつのリマスターかもわからず に重複して買ってしまうおそれもあり、たいへん不親切だ。しかも 帯にでかく書いてあるということは少なくともこのリマスターを売 りにしているわけで、やはり明確にすべきだと思う。 帯も裏面全部にかぶさるばかでかいもので始末に困る。規定文を入 れるためだけにでかくしているようで、購入者にとってはまったく 無用なもの。規定文の位置は他社は巧妙に処理しており、テイチク のこのやりかたには生硬さを感じる。 解説はオリジナルの英文解説の翻訳が併記されていてありがたい。 特にファーストは大貫憲章氏の解説を73年発売時、88年CD化時、 そして今回と3回分掲載しており、これは大変面白い(筆者本人が 書いているように資料的な価値はないが...)。 音質はうーん、リマスターしてもこれくらいが限界なのかなぁ、と 感じでしまう。 シリーズで1枚 もちろんロッド・エヴァンス在籍時の3枚。 パープルなど鼻もひっかけないロック・コレクター達もこの第1期 だけは別物のようで、LPは年々値段が高くなっている。 パープルは米テトラグラマトンと契約し、米盤の方が先行して発売 されていた。従って米盤の方がオリジナルなのではないかとは思う が、やはり英盤の方が人気が高い(世間的には契約/発売がどうあれ 英盤の方がオリジナルとして扱われているようで)。 この点はツェッペリンも同じであり、2大ハードロックバンド共通 ということで興味深い。 英盤のファーストはパーロフォン、後の2枚はハーヴェストからの リリースで、大変人気がある。もっともコレクターの皆さんはあの、 絶叫疾走型HRのパープルとは別物と捉えているようで、ヴァニラ ・ファッジに対する英国からの回答的な位置づけ(というか、ファッ ジのようなことならブリティッシュがやった方が余程かっこいいと いう...)。特にファーストのモノ盤は英現地価格で 75ポンド (99/11現在)。日本では3万くらいするのではないだろうか。さら に日本の初版はジャケットデザインが独自のもので、これまた帯付 きだと信じられないくらいの値段がつくようである(ああイヤだ)。 「III」の英ハーヴェスト盤は美しいコーティング処理がされた見 開きジャケ。今回の紙ジャケは見開きではあるがコーティングされ ていない(米盤がそうだったのかも知れず。しかし私は英盤を見て はじめてこのジャケの美しさがわかりました)。 「イン・ロンドン」と「ライブ・アンド・レア」の2枚は紙ジャケ 化の必然性をほとんど感じない。内容はタイトル通りである。 レア度(99年末) まだまだあります。初期3枚はそろそろ買っておいてもいいかも(s)
ブラック・サバス 00/11/22リリース 各\2,520 4w |
TECI 24030 黒い安息日(写真) TECI 24031 パラノイド TECI 24032 血まみれの安息日 TECI 24033 ヘヴン&ヘル シリーズ評価 3 NORMAL 先に輸入盤で出ていたリマスター&紙ジャケから4タイトルのみ国内でもリリース。日本のみ厚 紙!よくやったテイチクさん。でもでかい帯はかんべんしてくれ!印刷精度もよくなくて、読め ない。1stの内ジャケは銀文字のはず。ここまでやったら特色つかってくれ。 値段もけっこうすることですしね。 「ヘヴン&ヘル」のみ日本のみのリリースのようです。(s) →輸入盤はこちらCastle Music(UK)の項 シリーズで1枚 前期・中期からバランスよく、というかまぁこんなもんだろというセレクション。 どれもいいアルバムですが、輸入盤にあった「マスター〜」はジャケが面白いだけに国内紙ジャ ケがなかったのは残念です。 レア度(2000/11) 出たばかりですが、数は少なそうです。
T.レックス 01/1/24リリース 各\2,520 2w |
TECI24041 ザ・スライダー(写真) TECI24042 グレイト・ヒッツ シリーズ評価 3 NORMAL リマスターではないようですが、値段はけっこうします。そのかわり? 2001年オリジナル・カレンダーがついてるんですが、いらないです。 どっちかっていうと、スライダーは日本初回についてたあの変な絵と、 ブックレット型のライナー入れて欲しかった。 日本盤と紙ジャケ(右) 写真は東芝ODEON(EOP80565)でROCKNOW帯ですが、これが 初回かどうかはわかりません。 カレンダーは2枚ともついていて、品番とジャケ写以外は同じもの。 厚紙で「スライダー」は見開き。ジャケはしっかりしています。(s) シリーズで1枚 まぁ2枚しかないんで、当然「スライダー」でしょう。 レア度(2001/1) 初回5000枚完全限定と広告にはのっているが... ・5/23、6/21 T.REX紙ジャケットシリーズ第2弾 5/23 3w¥2400 TECI24056 T.REX/タンクス(コーティング)(写真) TECI24057 マーク・ボラン&T.REX/ズィンク・アロイと朝焼けの仮面ライダー(初回3ツ折りジャケ) TECI24058 T.REX/ブギーのアイドル(コーティングくりぬきジャケ) 6/21 2w¥2400 TECI24059 T.REX/銀河系よりの使者 TECI24060 T.REX/地下世界のダンディ 第2弾からいきなり力が入ってオリジナルに忠実になったT.REX紙ジャケ。 「ズィンク〜」はプロモ盤や初回盤のみだった3面開き。通しナンバーやレター などがついていたら、さらに完璧だった。 「ブギー〜」のコーティングくりぬきも再現。 「タンクス」もコーティングですが...オリジナルのポスターは付属せず。 ついてるポスターは同デザインの色違いが3枚とも封入されています。 リマスターのクレジットはないし、新規リマスターではないようです。我々は CD聴いたことがないのでわからないのですが、そんなに悪くない音質でした。 ヴォーカルやパーカスの生々しさ、存在感はLPほどではないです。 いくつかのタイトルでライナーを書いている河添剛という方が全体の監修の模 様。このライナーが凄い、というかなんというか、マーク・ボラン曲名”and” 説などが展開されおります。また氏が作成した(?)コズミック・ポスターな るものが全タイトルに色違いで封入されています。どちらかというと「タンク ス」はオリジナル盤付属のポスターがよかったんですが。帯もこのライナーの ノリを引きずった感じ。このへんは好き嫌いがあるでしょう。 でも「ズィンク・アロイ〜」の3面ジャケは面白いです。 リマスターではないが、ボーナストラック入り。 この第2弾から河添剛氏の監修のもよう(誰?) 6/21 「地下世界〜」もコーティングくりぬきでした。あいかわらずコズミックポス ター、ついてます。 また未発表集「シャドウ・ヘッド」も紙ジャケ仕様ででました。 2000/4/26 \2400 TECI24004 マーク・ボラン&T.REX/バンプ・アンド・グリンド Thunderwing production制作、IMPERIALレコード経由の未発表音源集。 日本でレコーディングされた「20thセンチュリー・ボーイ」の完全版などを収録。 レコードのマスターである1/4インチテープより一世代前の2インチマスターから 起こしたようで音質はいい。笑っちゃうくらいである。 だがまだボランの意志が入る前の(本来の意味での)レアな状態なので、こんな形 で出るのを本人がのぞんでいたかどうかは疑問。 もちろん復刻の紙ジャケではなく新規デザインのダブルジャケ。
ジューダス・プリースト 01/9/21リリース ¥2400 3w |
TECI24073 ロッカ・ローラ TECI24074 運命の翼(写真) TECI24075 ヒーロー・ヒーロー(発売中止) TECI24080 ベスト・オブ・ジューダス・プリースト シリーズ評価 2 BAD 今どき、めずらしい、これこそまさにジャケを紙製にしただけの再発。 内容はガル・レーベル時代のジューダスの2枚とそれを集めたベスト盤。 リマスターでもないし解説は再録。もちろんジャケは見開きすらない、すべてシ ングル・ペラジャケ。 で、2400円(税込み2520円)。 9月決算用にカタログから紙ジャケにできそうなヤツをひろったようにしか感じ られない(いいすぎか)。 でもこれではジューダスがかわいそうだよ、テイチクさん。 上は「運命の翼」の日本初回盤LP(キングGP464)と紙ジャケ。 名曲”リッパー”を含むブリティッシュ・ハードの名盤だ。 解説は紙ジャケが伊藤政則によるLP再発時のものだが、初回盤は大貫憲章と渋 谷陽一だった(これはどっちでも似たようなものだけど)。 ジャケはペラジャケでいいのだが、初版はうす〜いコーティングというか光沢の あるジャケで、素晴らしいジャケ(英国初版もそうだったと思う)。紙ジャケは 光沢なしで、なんか貧相。裏の文字はボケボケで読めない。 で、音質がこの、昔のCDみたいなスカスカな音で、なんか日本盤LP以下。 音量は十分あり、イコライジングで高音/低音は出してあるのだが、それがいっそ うチープ感をひきたたせていて、重厚さがない。いつのCD化かも書いていない。 なんか予算がないのがヒシヒシと感じられる紙ジャケだ。でも予算がなくても担当 者に熱意と愛情があれば、 ・最近この初期のジューダスが再評価されていること。 ・オリジナルの2枚は価格が上昇しており、日本で買うと5000円近くする場合があ ること。特にファーストのコーラの栓のジャケ。 ・で最初の日本盤はキングから出たこと。 ・ガル・レーベルはセヴンス・ウェイヴなど通好みのバンドがいたこと など資料的な部分は書き足せるだろう。そうすれば我々消費者なんて、そうかぁ、 原盤が今5000円もするんだったら、2520円もそんなに高くないかもなぁ、と無理 矢理納得することもできるのである(ムリか)。 シリーズで1枚 こんなHPやってなかったら2520円も出して買うことはなかっただろう。 レア度(01/9) たとえ将来レアになっても私は買わないと思う...(S)
PUNK 25TH ANNIVERSARY ダムド 01/7/25リリース ¥2095/w\3000 4w |
TECI20063 地獄に堕ちた野郎ども(写真) TECI20064 ミュージック・フォー・プレジャー TECI20065 マシンガン・エチケット TECI30068 ブラック・アルバム ビクター編は→こちら シリーズ評価 3 NORMAL テイチク/インペリアルレコーズからロンドン・パンクの雄ダムドの紙ジャケが発売された。 2001年がパンク生誕25周年にあたるということでの再発。たしかに1976はロンドン・パンクが メディアの脚光を浴びた年なので、ロンドンに限ればそういう計算がなりたつかも。でもダムド のファースト・シングルが発売されたのが76年10月だから、単純にデビュー25周年でよかった のではないか、という気もする。 今回は元メンバーが版権を有する初期の4枚で、リマスターではなく、ペラ紙のジャケ(ブロ ンズ時代のタイトルは8月にビクターから発売予定)。帯にはUKオリジナル仕様とうたって ある。「ブラック・アルバム」は従来のCD1枚から2枚組となり、LPのD面にあったライ ブが初めてCD化されたということだ。だからといって特にどうした、というライヴではない のだが...。 とにかく問題は今やパンクはおろかロックンロールの大名盤の1枚とさえいわれるファースト アルバムだ。この紙ジャケはこだわって欲しいところ。 ということで... 「地獄に堕ちた野郎ども」ミニミニ比較検証 当時ロンドン・パンク5大バンドといえば、ピストルズ、クラッシュ、ダムド、ジャム、スト ラングラーズといわれていたように思う。もちろんジャムはパンクじゃないし、ストラングラ ーズのかわりにバズコックスの方がふさわしいのも確か。でも、ともかくすべて素晴らしいバ ンドだったのだが、個人的にはダムドだけはオチャラケ、悪フザケが鼻についてどうも好きに なれなかった。このファーストアルバムがなかなか聴けなかったことも原因の一つだと思う。 もしリアルタイムで聴いていれば、虜になっていたかもしれない。他のアルバムはハッキリい ってつまんないのだが、このファーストだけは別格。ニック・ロウプロデュースによるパブ・ ロック風味が効いた最高のロックン・ロールアルバムだ。 写真LPはどちらもUK/STIFF SEEZ1。発売は77年2月。ロンドン・パンク最初の1枚であり、 STIFFレコードという自主レーベルから出たことでも記念碑的な1枚。 左が初版といわれてるコーティングジャケットのもの。右が有名な裏ジャケの写真がエディ &ザ・ホットロッズになってしまっているエラージャケ。コーティングではなく、英盤には 珍しくシュリンクされた上からステッカーが貼られていた模様。裏ジャケにもお詫びステッ カーが貼られている(赤丸部分)。 レコード会社の手違いで配給元のアイランドレーベルのアーティスト写真がのせられたと書 いてある。次の版でなおすとも書いてあるので、これを読むと確かに初版のような気がする。 が、やっぱりどう考えてもワザとやったとしか思えない(本当に間違いならこんなステッカ ーわざわざ作って貼らずに、ちゃんとした版だけ販売するだろう)。 推測としては 1.左のコーティング版(正常版)を製造 2.エラージャケも同時か、ほぼ遅れて製造(2000枚のみといわれている) 3.市場に混ぜて出した(もしくはエラージャケから出した?) ちなみに探検隊所有の盤はどちらもMATRIXはA1/B1だが、MATRIXの前についているへんなナン バーはコーティング盤がI-8/I-9、エラー盤がI-22/I-23。コーティング盤の方が盤が分厚く、 音の鮮度も高い(ダムドでこんなことやってどうすんだ、って話があるが、私もそう思う。 ただし、このアルバムの音質というのは、すごく重要なのでがまんしておつき合いください)。 ちなみにこのMATRIXナンバーの前についている変な番号、同じくSTIFFのSEEZ4(4番目のレコ ですな)、コステロのファーストアルバムの頃になるとs-90とかになっちゃってるので、 Iはアイランド、Sはスティッフで、レーベルの製造マスターの通し番号かもしれない(まっ たくの憶測だが)。 で、紙ジャケはコーティングされていない。もちろん裏ジャケの写真は正常。 この組み合わせはオリジナルではないのでは?というのが今回の比較検証からの推測。 もちろん上記2枚のMATRIX比較だけで決めてしまうのは早計だし、実は最初はコーティング されていなかったのかもしれない。この検証結果は間違っている、オリジナルは紙ジャケ 通りでいいんだ、という方はぜひ、情報をおよせください。 で、紙ジャケに関していえば笑えるのがインナースリーヴが再現してあること。CD用の 透明内袋は別についているので、まさしく再現のためにわざわざつけたのだろう。 赤で囲んであるのがその再現インナー。しかしほんとに真っ白なのである。もちろんアル バム固有のインナーではなくて当時の汎用レコ袋だ。いくら汎用袋の再現でもこれでは90年 代の再発盤のレコード袋のようだ。確かに、白い袋でリリースされたロットもあったかも しれない、ないとはいえないが、70年代の英盤の白袋なら"PATIENT No."と"MADE IN ENGLAND" 表記はあるだろう。比較した盤では1枚が真ん中くりぬきで内側から透明ビニールが貼っ てあり(左)、もう1枚が黒の内袋で真ん中に穴が空いている。 STIFFのレコードというと個人的にはこの黒袋のイメージが強い。どうせ再現するなら黒袋に して欲しかったところ(白でも黒でも汎用なのだから、オリジナル盤のインナーといわれて もピンとこないが)。 この黒袋からあのSTIFFのモノクロのレーベルがのぞいているのがカッコよかったのである。 書いてある文句すべてがシビれるSTIFFのレーベル。クリックで拡大してごらんください。 このアルバムは原盤がSTIFFからうつってしまっているのでレーベル再現は不可能なのだが、 でもやっぱり、このレーベルだよなぁ(オリジナル買うしかないのか?)。 で、先にちょっと触れたように当時のSTIFFは英アイランドレーベルが配給元なのでアイラ ンドのロゴがついている(再発盤との見分けでもっとも簡単なのがこのロゴの有無)。 日本ではアイランドの権利を持っていた東芝から77年6月20にリリースされた。 東芝EMI ILS80839 \2500 77/6/20 なのだが、発売後即、このSTIFFとアイランドの間の配給権がなくなっちゃったので、すぐ に廃盤。手に入らなくなってしまった(一説によると回収までされたとのこと)。 したがってこの東芝盤の帯付きはかなり貴重になっている。 同時に出されたシングルもILで始まるアイランド盤の品番で、 東芝EMI ILR20273 嵐のロックンロール/スタッブ・ユア・バッグ これはさらに貴重で、今や歌詞カードつきの完品なら10万はするだろうといわれるパンク 日本盤シングルの超コレクターズアイテムとなってしまっている。 米盤は当時発売されず、日本盤は廃盤、英盤もたいへん手に入れにくい状況であった。 私が手に入れたのはようやく79年に日本ビクターからSTIFFのレコードが発売されるように なった時。 日本ビクター VIP6637 \2500 79/3/25 すでにどっかいってしまったが、このビクター盤、けっこう愛着があります(そういう人 多いのでは?)。 ちなみに後から気づいたのですが、背表紙の部分、 紙ジャケは The Damned・Damned Damned Damned になっていますが、ホントは Damned Damned Damned だけです。細かすぎるなコレは。 シリーズで1枚 てことで、ファーストアルバムなんだけど、私はこのアルバムのCDというのをはじめて 聴きました。音質はうーんそんなに悪くないけど、やっぱりただの軽快なロックンロール になってしまっていて物足りない。ヒリヒリするような圧迫感がないし、音が分離しちゃ っていて、ハイファイ的にはいいんだろうけど、固まりでおしよせてこないのである。 こういうアルバムはやはり音の分離とかレンジバランスとかではないので、ガッツのある リマスターをしてほしいところだ。 レア度(01/7/25現在) なんだかんだいってファーストは売れるのではないかと。(S)
・2001/7/17 石原裕次郎 紙ジャケBOX 10Win1box \18000 TECS18231/10 石原裕次郎/タフガイ〜すべてはここから始まった〜 10,000名限定特典“25cmLPサイズオリジナルジャケットスリック10枚セット” ようするに10インチですね。どうせ買うなら絶対欲しいもの。 でも、分売してくれ〜 ・2001/11/21 ロイヤル・ハント 3W ¥2400 TECI24082 ランド・オブ・ブロークン・ハーツ TECI24083 クラウン・イン・ザ・ミラー TECI24084 パラドックス 90年代メロディック・ヘヴィ・メタルの雄、だそうだ。 その他。現在、調査中です。その他情報をお持ちの方は是非こちらへ
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