特集にあたって
電藝が塚本敏雄を特集するのは2001年夏以来のことである。
これは第2詩集『リーヴズ』(思潮社)の発行記念ということであったから、このたびの第3詩集『英語の授業』(書肆山田)が上梓されるまでにわれわれは5年を待ったということになる。慧厳氏が指摘するように、この2冊は大きく色合いを異にしているのだが、5年という時間は、また、われわれを取り巻く世界が変容していく時期でもあった。塚本敏雄自身の活動も微妙に変化してきている。詩人がそのように時を乗り越えていくのを、筆者は美しいと思う。
いま、その言葉が読者諸兄姉の胸に届くことを願い、ここにふたたび、特集をお送りする。
なお、電藝に掲載された塚本敏雄の詩作品(それぞれの詩集に収録されたものもあるが、詩集では基本的に手が加えられている)は、ここで読むことができる。
2006.7.10電藝編集部 吉田直平
(2006.11.12追記)塚本氏の茨城文学賞受賞を記念して、原稿を2点追加した。
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